UMATO

2025年07月12日 (土)

 6月に入り、このコラムも2年目に突入しました。

 昨年の5月に、「6月スタートのUMATOのコラムに毎週1200文字の原稿お願いします!」と、言われた時はどうなることやら? と思ったものの、なんとか1年が過ぎました。

 今後も引き続きよろしくお願いいたします。

 今週は春のマイル王決定戦 安田記念。

 昨年は香港の英雄「ロマンチックウォリアー」が勝利し、東京競馬場に居た香港メディア・香港の競馬ファンが大いに盛り上がったことも記憶に新しい。

 今回のアノ瞬間は1992年・1993年と安田記念を連覇した、ヤマニンゼファーの足跡を振り返りたい。

 父:ニホンピロウイナー 母:ヤマニンポリシー

 1991年3月、ダート1200mの新馬戦を12番人気ながら快勝すると、続く500万下のレース(ダート1200m)も連勝し重賞戦線へと駒を進めた。

 続く芝1200mのG3クリスタルカップでも3着と好走し、素質の高さを見せた。

 その後翌春までにダート1200m戦に2度勝利し、オープン入りすると安田記念のステップレース、京王杯スプリングカップに出走。

 ここでも3着と好走し、次走の安田記念に出走してきた。

 前走の好走がフロック視されていたことと、大外18番枠からの発走、今までの勝利実績が1200mのダート戦ということから11番人気での出走だった。

 好スタートを決めると、好位で折り合う田中勝春騎乗のヤマニンゼファー。

 ハイペースで流れる中、4コーナーでは早めのポジションで先頭を伺う。

 残り400mで先頭に立つと、外から伸びる1番人気のダイタクヘリオスに並ばれるも、二の足を使って突き放した。

 外からカミノクレッセ、内からムービースターが伸びてくるも、ゴール板を先頭で駆け抜けたのはヤマニンゼファー!

 過去の4勝全てがダート1200m戦、芝での初勝利がG1レースとなった。

 鞍上の田中勝春騎手もG1初制覇となり、大きなガッツポーズが飛び出した。

©Shuhei-Okada.com
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 父ニホンピロウイナーと、安田記念親子制覇を成し遂げた。

©Shuhei-Okada.com
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 翌年の安田記念にも出走した、ヤマニンゼファー。

 前走の京王杯スプリングカップで騎乗停止中の田中勝春から、鞍上は柴田善臣に代わっていた。

 この年の安田記念は前年の勝利と前走京王杯スプリングカップの勝利を受けて、2番人気での出走となった。

 レースは2番手追走から危なげなく抜け出して、史上二頭目となる安田記念連覇を達成した。

©Shuhei-Okada.com
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 昨年の田中勝春に続き、柴田善臣もこれが嬉しいG1レース初勝利となった。

 その後、秋の天皇賞も柴田善臣騎乗で制し、ハナ差2着が田中勝春騎乗のセキテイリュウオーと、因縁めいた決着が話題となった。

©Shuhei-Okada.com
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 1600m、2000mのG1レースを制し、引退レースとなる暮れに行われていたスプリンターズステークス(芝1200m)に1番人気で出走。

 惜しくも2着となり、1200・1600・2000mという3階級制覇とはならなかった…

 最優秀5歳以上牡馬、最優秀短距離馬、最優秀父内国産馬の三つのタイトルを獲得したヤマニンゼファー。

 G1レース三勝を挙げて、そよ風のように競馬場を駆け抜けたヤマニンゼファー。

 後にヤマニンゼファーに乗っていた人物と深い繋がりを持つことになるなど、この時は知る由もない。

 この話はまた別の機会に書きたいと思う。

岡田修平 (Shuhei Okada)

1969年 大阪府池田市生まれ
工芸高校写真工芸科、在学中に川本武司氏に師事。
1987年の卒業と同時に「JRA関西広報カメラマン」として撮影を始める。
また師匠の勧めで大阪芸術大学写真学科に進学、卒業後フリーカメラマンとして活動。
競馬をメインフィールドに雑誌、ポスター、カレンダー、DVD等に作品を発表。
フランス凱旋門賞をはじめ、海外大レースの撮影に積極的に参加。
最近は、各インターネット媒体コンテンツへの写真提供もこなし、更なる飛躍を目指している。

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