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2024年09月18日 (木)

「冨士山下宮小室浅間神社例大祭の『流鏑馬祭り』」

投稿日:

(山梨県富士吉田市) 毎年9月18日・19日

馬の足跡で吉凶を占う、珍しい流鏑馬祭り

小室浅間神社は富士北麓に位置し、「下宮さん」と呼ばれ地域に親しまれています。

9月19日に小室浅間神社で斎行される流鏑馬祭りは、社伝によると長徳年間(西暦995年~999年)の馬駆けに起源を持ち、長寛二年(西暦1164年)に流鏑馬として始まったとされ、以降約860年あまり一度も欠かすことなく伝えられている由緒ある神事で「うまっとばかし」(甲州弁で馬を走らす)と呼ばれています。

山王社の例大祭に参向するため小室浅間神社を出発した神馬が街中を巡り、約1km先の山王社へと向かいます。

前日18日は午前中に奉納馬が小室浅間神社を出発し、市内を巡りながら山の神が祀られる山王社へと向かいます。山王社で例大祭に参加したのちに昼に小室浅間神社へと戻ります。また午後からは、富士山の溶岩で造られた富士山神輿が賑やかに街中を練り歩きます。

18日の宵宮、19日の例大祭で奉納される神楽の様子。約1時間にわたり厳かな太鼓や笛の音が境内に鳴り響きます。

18日の宵宮では馬の走る順番を決める神籤をひき、その結果において朝馬、夕馬の順番が決まり、19日の例大祭では午前10時半から見せ馬たちが馬場を走り始め、午後の1時から流鏑馬神事が斎行されます。

神馬が駆けたのちの馬場に残る足跡。世襲の「占人(うらびと)」が吉凶を占います。

小室浅間神社の流鏑馬は全国でもめずらしい馬の足跡で占いをすることが目的の神事です。俊足を誇る馬に跨がった射手が次々と的を射る姿は圧巻ですが、武士が行う流鏑馬と違い矢を射る事は重要視されておらず、馬が走った後、占人が馬の蹄(ひづめ)の跡を見て災厄を占います。また流鏑馬神事が行われたのちに、秋の収穫を見届けた山の神(山王様)を富士山へ送る「山王馬」が疾走する姿を見ることができます。

流鏑馬神事では途中に射損ねた矢が落ちていると、その矢は縁起物としてもらうことができます。神社の馬場で流鏑馬をするため、疾走馬を近い場所で見物できるのも他にはない魅力のひとつで、平成29年9月7日に山梨県の無形民俗文化財に指定されました。

冨士山下宮 小室浅間神社

山梨県富士吉田市下吉田3-32-18

アクセス
車◉中央自動車道河口湖ICから約15分
中央自動車道富士吉田西桂スマートICから約10分
東富士五湖道路富士吉田ICから約15分
電車◉富士急行線下吉田駅より徒歩約4分

小室浅間神社の起源

富士吉田の下吉田地区の中心部に鎮座する冨士山下宮小室浅間神社では木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)を御祭神とし、御神徳を「五穀豊穣」、「人、職、仕事、恋愛等、人生の縁結び」、「占い事、お神籤」、「容姿端麗」、「安産」、「子供の守護」、「鎮火防災」、「勝負運上昇」、「養蚕守護」、「金運隆昌」などとしています。地元では「下浅間」と呼ばれ、親しまれています。創建は古く、807年にされたとして、以降富士北麓に住む人々の暮らしや信仰の中心にありました。毎年9月18日19日に行われる流鏑馬神事の他、1月14日15日に行われる「筒粥(つつがゆ)祭」も有名です。

毎年1月14日15日に行われる「筒粥祭」も有名でその年の農作物の出来具合や富士山の登山者数を占う800年以上続くとされる伝統行事です。

取材後記…
広い境内の一部には神馬舎があり流鏑馬に登場した神馬に会うことができます!現在はサラブレッド4頭のほか、木曽馬が2頭、輓馬(ばんば)2頭が暮らしています。文/邦馬

取材協力・文章/写真提供

冨士山下宮小室浅間神社
http://www.fgo.jp/~yabusame/
お問合せ  0555-22-1025

一般財団法人 ふじよしだ観光振興サービスhttps://fujiyoshida.net
お問合せ  0555-21-1000

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