栗東トレセンから馬運車で出発して、中山競馬場に到着する時間は、金曜か土曜、季節によって微妙に違うが大体16:00前後が多い。
それから荷物整理やチェックなどをすると、馬の飼葉が中途半端な夕方の時間になる。これがこの日3回目なら夜飼葉になり、夜は遅い時間に水チェックや草などを与える。2回目なら昼飼葉となり、夜飼葉を遅いめの時間に与える。
これは厩舎や人によって違うが、同僚や他の厩舎の友人に夜飼葉を頼まなくても自分でできるので、夕方から出かけて少しくらい遅くなっても、全然大丈夫なのだ。


僕らが若い時、同世代や先輩などは、どこの出張先でも歩いてかタクシーで行ける所しか行かない、行動範囲の狭い人がほとんどだった。
そんなトレセンおっちゃん達が中山でよく行っていたのは、厩舎地区から競馬場とは反対方面にある、歩いて行ける若宮商店街。
僕らも先輩に誘われてよくその商店街の居酒屋さんで飲んだが、昨年末久しぶりに懐かしくなりふらっと訪れてみた。
道はとても綺麗になっていたが、飲食店や商店はほとんど無くなっていた。
これも時代の流れだろうが、少し悲しい気持ちになった。

前回までの中山競馬場シリーズでも書いたが、何でも興味を持つ「いっちょカミ」の僕は、東京や中山の出張となると、じっとしていられない。
出張が決まればすぐ、野球などスポーツの試合や、コンサートなどのイベントがあるかチェックして、目ぼしいものがあればチケット確保に奔走する。
無ければリピーターとして知っている飲食店に行くか、テレビやYouTubeなどで紹介されたお店を調べて行くなどしている。他の厩舎の知り合いか、関東の地元の友人と行く時もあるが、最近は自由に時間が決められるので一人で行くことが多くなった。
東中山駅から浅草方面に行くか、西船橋から総武線で都心に行くかの2パターンがほとんどだ。

中山出張のとある1日、夕方東中山駅から電車乗って、浅草まで買物と一杯飲みに出かけた。
まずは、かつて好きだったNMB48の元メンバー高野祐衣さんが、日本酒に魅せられて利酒師になり、浅草に自分の日本酒専門の酒屋をオープンした「ゆい酒店」へ。


その後、スカイツリーのお膝元、曳舟駅近くの日本酒で有名な居酒屋「東西南北」へ。


店主が一人でやっているために、お客さんが多い時は待つこともあるが、全国の銘酒と日本酒に合うツマミは別格だ。


中山出張で厩舎関係者が一番行く飲食店街といえば、やはり西船橋駅周辺だろう。
僕も昔から色々なお店に行ったけど、現在でもリピーターとして行っている店は駅前の「まる福」くらい。かつては「加賀屋」の支店だったが系列店として名前が変わったようだ。
このお店はやきとんや煮込み豆腐といった、関東ならではの酒のアテがリーズナブルで絶品だ。



西船橋駅付近でしこたま飲んで、酔い冷ましも兼ねて競馬場までの急な坂を歩いて帰ったのも、昨日の事のように思い出す。

またいつか、ここに遊びに来たいものだ…