そして迎えた4/20(日)
ヒデノブルースカイは昨年末に中山で使って以来のレース。
調子も上がってきていてとてもいい感じ。


今回、武豊騎手が騎乗してくれるという件では、うちの厩舎をよく題材にしてくれる大阪スポーツの赤城記者が長いコラムを書いてくれた。
その他、旧知のスポニチの菱田さん(現在は嘱託記者)から「スポニチの武豊のコラムを田中さんの話にしたからよろしく」と連絡があったり、各スポーツ紙やネットニュースなどでもいっぱい記事が出ており、競馬界隈では時の人となってしまった。
少し話が盛られていて、美談すぎで恥ずかしく困惑する部分もあったが、僕みたいなポンコツ厩務員を題材にしていただき、メディアの皆さんや武豊騎手に本当に感謝したい。
僕はレースのグレードにかかわらず、可能な限り編み込みをするが、この馬は体高が低いので台に乗らずにできるし、大人しく編ませるので本当に楽だ。


この日、梅田厩舎所属で2027年に騎手デビュー予定の競馬学校2年生、藤田悠輔君が学校の休み時間を利用して中山に来てくれた。
そしてヒデノブルースカイのパドックを2人で引っ張る事になった。


そして、昼休み後の5Rと言う事でパドックまで乗りに来てくれた武豊騎手。梅田先生の配慮で僕が足を上げさせてもらった。
「今までお世話になりました、これが多分最後ですね…お疲れ様でした!」などと言ってくれた。


他に色々おしゃべりさせてもらった中で「僕は辞めて去りますけど、2年後うちからデビューする藤田悠輔君をよろしくお願いしますね」と言ったら「わかりました、頑張って!」と藤田君に声をかけてくれた。

騎手候補生の藤田君の話はまた改めてこのコラムでご紹介させていただきたいので、ここではこの辺にさせていただく。
そしていよいよレース。僕が武豊騎手を乗せて馬場入場するのも、多分これが最後だろう。
UMATOでもお馴染みの、岡田修平カメラマンが素晴らしい写真をたくさん撮ってくれた。


このヒデノブルースカイはスタートが全て。全6走で新馬だけ「出負け」であとは全部「出遅れ」。
練習ではうまく出た時もあるのだが、本番はいつもゲートが開く直前にいらん事をして出遅れる。
誰が乗っても同じだったので、武豊騎手には気楽に乗ってもらい、ひょっとしてもしかしたら…?と思ったが、やはり出遅れた。
でも最後方から徐々にスピードを上げて、8着でゴール。上がり3ハロンは3番目に速いタイム。
最後まで手を緩めず、追い続けてくれた武豊騎手。申し訳ない……ありがとう!


これで僕と武豊騎手の長年のお付き合いは事実上終了した。
最後のレースも、彼で最後に勝ったのもこの勝負服だった。
大石オーナー、ありがとうございました!

担当馬と行く中山競馬場とは、今度こそ本当のお別れ。
中山の関係者スタンドから観た最後のレースは、友人の応援に行った皐月賞だった。


本当に長年、ドキドキワクワクさせていただきありがとうございました…
今度はお客さんとして、お布施しに行かせていただきます。