藤田悠輔君は、現在競馬学校2年生の騎手候補生で、順調にいけば2027年3月に梅田智之厩舎所属で騎手デビュー予定だ。
もちろん、まだ道半ばであり、これから何が起こるかは分からないし、彼自身の努力と精進あってのデビューという事になる。
彼は今年の1月末、1週間の研修期間として、梅田厩舎にやってきた。
関東でも同じく、1週間林厩舎で研修をしてきたそうだ。

藤田悠輔君のお父さんは、かつて西橋豊治厩舎で持ち乗り調教助手をされていて、梅田智之調教師が調教助手時代の同僚だった。
そのツテもあり、お父さんのほうから「息子をお願いします」と頼まれたそうだ。
現在、お父さんは昆厩舎で持ち乗りをされていて、昆厩舎で厩務員をしている僕の友人の話では「いつも朝一番に厩舎に来て最後までいる人で、めちゃめちゃ真面目で仕事できる人です。」らしい。
梅田厩舎に研修に来たのは、そのお父さんのお人柄の話を聞く前だったが、とても真面目で礼儀正しい子だという印象を持った。


悠輔君の梅田厩舎研修期間を終えての作文を見せてもらったが、「馬の上で動きすぎる」や「何かをやろうとしすぎて体が硬くなる」など反省が多く書かれていた。
僕が梅田厩舎の厩務員として、もう悠輔君と会うことはないと思っていたが、4月20日(日)中山競馬場でのヒデノブルースカイのレース前に、突然彼が現れた。
「今日は競馬学校の休みの日で、自由時間に見学に来ました。」と、悠輔君。競馬学校は中山競馬場からほど近い。
せっかく来てくれたのだから、パドックを2人引きしてもらうことにした。


武豊騎手が騎乗してから「うちの厩舎から2年後デビュー予定の藤田悠輔君です。よろしくお願いしますね!」と頼んだら、「わかりました、頑張って!」と返ってきた。(さよなら中山!ありがとう豊!参照)
2年後も、レジェンドなら間違いなくまだ乗っていると思うから、頼んでおかないとね。

僕が騎手の卵に技術的に言える事など何もないが、ひとつだけアドバイスするとしたら…
「心の奥底はともかく、表面上だけでも人を選ばず誰にでも礼儀正しく優しく接しなさい」だけだ。
騎手のそういう話はまた次の機会にさせてもらうが、彼には技術も人格も素晴らしい騎手になってほしい。
僕が現役の厩務員として最後に出会った「あんちゃん」、藤田悠輔君。
2027年3月、彼が無事デビューできたあかつきには、1ファンとして競馬場で応援させてもらうとしよう。