真狩村は、札幌から車で国道230号線を南西方向に向かって1時間30〜40分程度で着く。
もう10分ほど走ればインバウンドで有名なニセコエリアだ。
サマーステーブルは、真狩村の中心地から車で5分くらいの所にある。
サマーステーブルを見下ろす感じでそびえている羊蹄山は、日本百名山のひとつで、独立峰(山脈などに属さない)としては富士山に次ぐ2番目に大きな山だ。
登山愛好家なら必ず登る山で、山頂までのルートはいくつかあるが、サマーステーブルの前の道を少し上がった所にある、真狩登山口が一番人気らしい。



真狩村は羊蹄山の南西部に広がり、海がなく見渡す限り畑ばかりだ。
住民の仕事はほとんどが農業や畜産で、少しだけ観光といった感じだろう。
僕は1ヶ月弱滞在していたので、帰る頃には農作物の畑を見ただけで、これが何か分かるようになっていた。
馬の話からは外れるが、少しだけ真狩村の野菜たちを紹介しよう。








写真で紹介した野菜はほんの一部だが、こういう野菜の種類を覚えてしまったのは、毎日車で農道を通って行く仕事があったからだ。
まず、馬糞をトラックに乗せて農家さんの空き地に捨てに行く仕事。
捨てると言っても、しばらく置いて発酵させて有機栽培などの肥料として再利用される。
農家さんとこちら側がウィンウィンの関係という事なのだ。

そして、もう一つの仕事は、酪農をされている佐々木牧場さんへ、馬の敷料である「麦稈(ばっかん)」や、馬の飼料である「乾草」をもらい(買い)に行く仕事。
佐々木牧場さんには猫が数匹居て、戯れるのが一番の楽しみだった。(牧場猫の話は来週掲載予定)



こういう作業をしていると、JRAの厩務員がどれだけ恵まれているか分かる。
厩務員の皆は、裏方さんの苦労を思いながら、感謝して仕事してほしいものだ。
真狩サマーステーブルで24日間お手伝いさせてもらったが、僕の仕事は馬房掃除と馬の手入れ(洗い)がほとんどで、終わったらポニーのホーネット君(ホーちゃん)との散歩が日課。
雨の日は競走馬用のトレッドミルで歩かせたりもした。




競走馬はすぐ入れ替わり、思い入れのできた馬は少なかったが、ホーちゃんは毎日遊んだので、帰る時はちと感傷的になってしまった。

ニセコ地区は、冬のスキーシーズンほどではないが外国人だらけで物価も高め。
景色は素晴らしいが、そんなに心地良い場所ではなかった。
けど、そのすぐ隣の真狩村はとてものどかで静かな田舎町で、どこを切り取っても素晴らしい景色だった。
この1ヶ月弱の滞在で、42年間働いた身体が心から癒された気がする。


旅行で北海道に来て、札幌近郊をレンタカーで走る事があれば、皆さんもこの風光明媚な真狩村に是非足を延ばしてみてはいかがだろうか…?