このUMATOでは競馬のみならず競走馬以外の種類の馬や、馬で有名な神社仏閣やお祭りなど、その他馬にまつわる色々な場所や話がたくさん読める。
僕もそれらの投稿で、自分もそこへ行こうと思ったりもしているので、大変楽しく拝見させてもらっている。
僕は基本、元厩務員としての裏話などを中心に書かせてもらっているが、自分が見知った競馬以外の馬の話もこれから少し書いてみたい。
もしかしたら、他の記事と少し被る話があるかもしれないが、その辺はご容赦をお願いする。
その第1回として、かつて栗東トレセンで厩務員として働いていた東森夕子さんが、滋賀県大津市で障害児通所支援事業の一環として開いた牧場「どうぶつの森キルト」を紹介したい。

この牧場はまず2021年に2頭の馬を入れて始まり、2023年に東森さんが正式に障害児通所支援の一般社団法人「スプリングキルト」を立ち上げ、そこに牧場を併設した「どうぶつの森キルト」を開場し現在にいたっている。
場所は滋賀県大津市大石で、有名どころでは紫式部で有名な石山寺や、米女子ツアーTOTOクラシック開催コースの瀬田カントリークラブから、南に車で20分ほど走った所にある。
かつて農地だった場所を借りて牧場にしたのだが、牧柵などそのほとんどが手作りだ。
敷地内に児童発達支援、放課後等デイサービス事業所としての建物を建て、子供たちを預かり遊んだり馬と触れ合ったりするのを本業としている。
馬たちの存在は養老牧場と障害児支援の2つの意味合いを持つ。

東森さんは、1992〜1999年に栗東トレセンの太宰厩舎〜湯浅厩舎で厩務員として働いていた。当時は僕らの野球部のマネージャーをやってくれたり、調教助手時代の矢作師のグループの一員として活動を共にした仲間だ。(矢作芳人調教師編、写真参照)
しかし彼女は思うところがあり厩務員を退職。一念発起し国立の山口大学医学部の看護学専攻に入学し、看護師として第2の人生を歩み始めた。
伊藤雄二厩舎と梅田智之厩舎ともに僕の同僚だった寺田義明助手が、20年ほど前に大病をして京都府立医科大学病院に入院した時に(今は完治)、ちょうど彼女がそこのICUで勤務していた。
見舞いがてら彼女に寺田の様子を聞いたのを思い出す。
その後、紆余曲折あったのだろうが、障害児童たちの支援と馬好きとが合致し、この地に根をおろしたのだと思う。
馬たちのお世話は、この牧場に自分の所有馬を預けている人や、ボランティアの人たちと一緒に東森さんが毎日行っている。彼女が1日丸々休みの日はほぼないと言ってもいい。
どうぶつの森キルトでは、現在登録されている馬が3頭いる。
2021年の牧場ができた当初からいる馬は、かつて栗東トレセン二分厩舎に在籍していて、当時の厩務員の中西さんが買い取ったツルマルケン(ケンちゃん、牡23)と、日本スポーツホース種のフライトゥザムーン(ふーこ、牝17)。


その後来たのが、中間種のカルロス(カル、騙25)。

その他にもう1頭いるが、まだ未登録なので次の機会に紹介しよう。
季節によって時間は違うが、冬の今は夜明けあたりに牧場の作業が始まる。
まず、馬たちを外に放牧に出して朝ごはんにあたる青草や乾草を与える。ケンちゃんは他の馬との相性を考えて、しばらくは厩舎の周りに放し飼いする。



しばらくして、ふーこが入っていた一番広い放牧地に、ケンちゃん、カルと順番に入れていく。最初から同時に入れると青草や乾草などを取り合いしたりしてケンカになったりするからだ。
ある程度の時間が過ぎてからなら落ち着いているが、それでもカルが少し他の2頭を威嚇したりしている。

僕ら厩務員の担当馬は1頭1頭、別々に対応しているのでよく分からないが、こうして馬を放牧地に一緒に入れていると性格の違いや上下関係が分かっておもしろい。
そしてこの牧場には1日数回、ご飯をねだりに猫と犬が来訪する。
猫の名前は「テツ」。
何処かで飼われていたかもしれないが、地域猫ではなく完全な野良猫だ。
ご飯もらう時はニャーニャー言うが、人によってはシャーシャー言ったり、触ろうとすると引っ掻いたり噛んできたりするようだ。
保護して去勢するにはまだ時間がかかりそうだ。

そして隣の家で放し飼いで飼っているトイプードルの「ラッキー」も毎日ご飯を食べにやってくる。
隣での待遇が悪いのか?日課としてご飯をねだりにやってくるみたいで、この子は誰にでも懐く。

そんなこんなで、僕は今年からこの牧場で週1〜2回程度、心と身体のリハビリとして馬の作業のお手伝いをさせてもらっている。
まぁお手伝いと言うほど大したものではなく、馬と触れ合って遊んでいるだけなのだが…
皆さんもこの牧場に行って馬と遊びたいとか、子供たちの馬との触れ合いなどに興味があれば「どうぶつの森キルト」で検索して、電話で問い合わせしてほしい。
この牧場に関しては、暖かくなって景色が良くなったら、改めて馬たちや自然の姿をゆっくりご紹介しようと思う。






