UMATO

2024年10月05日 (土)

 プロカメラマンとして競馬を撮り始めた時から、JRAカレンダー、JRAポスター(ヒーロー列伝)、優駿誌、競馬カタログなど、やってみたい(自分の写真が載る)仕事がたくさんあった。ありがたいことに、多くの経験を積み、順調にキャリアを重ねることができたおかげで、若くしてやってみたい全ての仕事に掲載してもらうことができた。

 第二次競馬ブームのおかげもあり、競馬関連の仕事量が増え、プロカメラマンとして着実にステップアップさせて貰ったが、その中でもワタシの中で重きを置いていた仕事がJRAカレンダーとヒーロー列伝(名馬ポスター)である。

 なぜならば雑誌の写真はページをめくると直ぐに終わるが、カレンダーだと1ヶ月、ポスターになれば飾られている間はずっと自分の写真を見てもらうことができ、写真家としての誇りだと感じていたからだ。

 現在はWEBやSNS等の写真が主流ではあるが、目に触れる時間が圧倒的に短いのが残念に感じ撮影者として寂しい部分でもある。

 カメラマンとしても日本ダービーは特別なレースで、特にJRAカレンダーで1ヶ月写真が載るというステータスは名誉な事だと思っていたが、ワタシにもその時が訪れた。

 同年代の武豊騎手が数々の大レースを制しながら「ダービーは勝てない」と言われていたが、1998年の第65回の東京優駿(日本ダービー)でスペシャルウィークに騎乗し初制覇。その時のゴールシーンがJRAカレンダーに採用されると決まった!

 JRAカレンダーを制作されていたデザイナーさんから「ダービーは岡田さんの写真ですよ!」と電話で聞いた時は飛び上がるほどとても嬉しかった!

1999年のJRAカレンダーに採用された写真。第65回(1998年)東京優駿(日本ダービー)

 「ダービー優勝騎手が勝ったら辞めてもいい!とレース前に言いながら、いざ勝つと何回もこの余韻に浸りたい、何回でも勝ちたい、それくらい魅力的なレースです。」というコメントを見るが、カメラマンも同じで、何回でも何度でもカレンダーに使われたいと思うのがダービーの魅力であり、他のGⅠレースとは違う重みを感じている。

 過去に3回、JRAカレンダーでダービーのレース写真が掲載された。今年(2024年)のJRAカレンダーでは、前年のダービーを制したタスティエーラの顔写真がドーンと表紙で掲載されており、ある意味のダービー写真でカレンダーの表紙を飾るという体験も出来た(残念ながら表紙はすぐにめくられてしまうのだが…)

2024年JRAカレンダー表紙

 小学生の時から漠然と憧れていた職業であったプロカメラマンになれて、優駿誌に掲載されて名前が載り、ダービーのカレンダーに採用されて、とワタシの中の夢であった三つが叶った瞬間だった。

 夢への行動力は自分でも貪欲に突き進んで来たと思う。競馬写真家として更なる夢は、凱旋門賞を日本馬が勝つシーンを収めること!

 そして不可能と思われていたダート競馬の本場、アメリカ競馬のブリーダーズカップ・クラシック&ケンタッキーダービーを日本馬が勝つシーンを撮りたいと思う。

 まだまだワタシの夢には続きがあり、夢は尽きない! 

 

三つの夢が叶った  完

岡田修平

1969年 大阪府池田市生まれ
工芸高校写真工芸科、在学中に川本武司氏に師事。
1987年の卒業と同時に「JRA関西広報カメラマン」として撮影を始める。
また師匠の勧めで大阪芸術大学写真学科に進学、卒業後フリーカメラマンとして活動。
競馬をメインフィールドに雑誌、ポスター、カレンダー、DVD等に作品を発表。
フランス凱旋門賞をはじめ、海外大レースの撮影に積極的に参加。
最近は、各インターネット媒体コンテンツへの写真提供もこなし、更なる飛躍を目指している。

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