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2024年11月21日 (木)

 ご存知の通り、日本には四季があり、季節ごとに色んな景色を楽しむ事が出来る。競馬の世界でも季節ごとに各競馬場で、様々な季節の移り変わりを見る事が出来る。

 ワタシは日本馬の海外遠征取材に色んな国に行ったが、日本ほど季節ごとに色々なシーンを見る事が出来ない。作品になるような場面に出会えるのは日本の競馬場が圧倒的に多いと思う。

 通常の競馬開催は1月は京都競馬場と中山競馬場に中京競馬場、2月は京都競馬場と東京競馬場に小倉競馬場といったように開催場所が決まっているが、今回の夏の雲の写真は2011年の中京競馬場大改修工事の影響で京都競馬場での開催となった7月の写真である。

 例年通りだと京都競馬開催は2月の次は5月、その次は10月まで開催が空くのだが、ワタシが競馬の写真を撮り始めて、初めての7月の開催だった。夏はどこの競馬場でも暑いのは当たり前も、京都競馬場も変わらず暑かった。

 しかし、夏の京都開催では例年には見られない面白いシーンを撮ることが出来た。夏の雲が芝レースのタイミングでちょうど良い場所に現れ、1枚の画の中に収める事が出来たのだ。

 競馬カメラマンとしてレースを撮影するのは、馬との距離があり近づけ無いので超望遠レンズで撮るのが普通である。

 しかし、この時は、京都競馬場で今まで見たことの無い面白い形の雲が近づいてきたので「これはレースシーンと絡められるかも?」と判断し、短い焦点距離のズームレンズも持参で撮影場所に着くと狙い通りに、画角いっぱいに上手く絡めることが出来た。

 オフィシャルカメラマンや新聞社のカメラマンであれば、1着馬を撮影しないといけないので普通にレースを撮るのだが、ワタシのようなフリーカメラマンとして活動している者は、何を撮るかも本人次第!もちろんG1レースのような大きなレースだと、ゴール前写真の需要があるのだが、夏のローカル開催の平場のレースであればこの様な写真を撮るのがワタシのスタイルである。

©Shuhei-Okada.com

 持参したズームレンズの一番ワイド側で、ギリギリに全てが収まったこの写真は、以前にプロカメラマン仲間で開催したグループ展にて発表した。

 競馬を見慣れている競馬ファンの方も「これはどこの競馬場で撮られたんですか?」と、夏競馬と京都競馬がリンクせずで、撮影場所の正解を教えた時は「あー、なるほど」と、ほぼ全員が同じリアクションをしていたのを思い出す。

 また長い競馬カメラマンのキャリアの中で、開催中に虹を見る事はたまにあるが、二本の虹(ダブルレインボー)を見たのは2007年10月の事だった。

 この時もゴール前とは逆の1コーナー付近に虹が出ていたが、上手く1コーナー側へレースに向かう返し馬と絡める事が出来て1枚の画になった。

©Shuhei-Okada.com

 夏の雲もダブルレインボーも、実際は撮るチャンスは少なく、雲も虹も思っている以上に早く様相を変えるので我ながらその時の最善で撮れたと思う。今後もこういったシーンに出会えれば、バッチリと撮りたいと切に願う!

 なぜならばこういったシーンは現場でしか見る事が出来ない、このようなシーンに出会えるのも競馬場の魅力的な部分なので、写真で伝えたいからだ。

岡田修平

1969年 大阪府池田市生まれ
工芸高校写真工芸科、在学中に川本武司氏に師事。
1987年の卒業と同時に「JRA関西広報カメラマン」として撮影を始める。
また師匠の勧めで大阪芸術大学写真学科に進学、卒業後フリーカメラマンとして活動。
競馬をメインフィールドに雑誌、ポスター、カレンダー、DVD等に作品を発表。
フランス凱旋門賞をはじめ、海外大レースの撮影に積極的に参加。
最近は、各インターネット媒体コンテンツへの写真提供もこなし、更なる飛躍を目指している。

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