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2025年03月14日 (金)

 3月に入り、春の陽気を段々と感じられるようになってきた今日この頃。
 競馬場にも色とりどりの花が咲き始め、寒かった冬から春への季節の移り変わりを随所に感じることが出来る。

 昨年のグループ展「絢サラブレッド」にも数点展示したが、「美しい花と美しい競走馬を絡める!」という写真がとても絵になり、作品になると個人的に思っている。

 ただ、日本国内の競馬場で花と競走馬を絡めて撮ることは難易度が高いと感じている。それは馬との距離であったり、競馬場の構造であったりして、海外の競馬場のような近しい感じで撮ることができないからだ。

 子供の頃から好きな花の一つである、チューリップ。そのチューリップと競走馬を絡めて撮りたい!と毎年思っているが、関西在住のワタシが撮影しに行く機会がある競馬場はこの時期に開催している阪神競馬場のみ。

 3月の中山開催は過去に一度しか行った事が無いが、チューリップのイメージは全く無い。仮定の話だが、もし3月の前半に中山競馬場でG1レースが誕生するなら、撮影に行って新たなアングルを見つけたいと思うが、タラレバの話は止めておこう。

 阪神競馬場ではカメラマンのパドック撮影用にステージが用意されており(ファンの皆様が見る正面のオッズ板の下)、そこの花壇にこの時期になるとチューリップが植えられている。ファンが見れる一般席からの目線に中途半端な高さにラチがあり、馬体が見にくいという阪神競馬場のパドックだが、カメラマンのステージからも手前にラチがかぶっており、とても撮りにくい。(絵にしにくい、やっかいなパドックである)

 しかし、花壇(プランター)のチューリップと絡めて撮るためにはそんなこといってられないので、腰をかがめて撮るしかない。パドックで変な格好で撮る姿は傍から見るとかなり挙動不審である。

このように置かれているプランター、これでは絵にならない。©Shuhei-Okada.com
腰をかがめて、花と馬が入るように構える。しかしラチが気になるので、もう少し攻めてみる。©Shuhei-Okada.com
これだとラチは先ほどより気にならない。©Shuhei-Okada.com
撮影位置を下げて、最終的にはこのようになった。©Shuhei-Okada.com
また目線を変えて、馬の顔をカットする感じで撮るとこのようになる。©Shuhei-Okada.com
サラブレッドの象徴である、細い脚ですぐに競走馬と分かる。©Shuhei-Okada.com

 「チューリップとサラブレッド」作品として、コレはコレでありだと思う。

 全体を写すも良し、部分を切り取って見せるのも良し。まだまだ撮り方はあると思うので、光線状態なども考慮しながら引き続き狙って撮影したい。

 シン・阪神競馬場として大規模修繕工事の終わった阪神競馬場、家族連れが来やすいレジャースポットとして多くの競馬ファンが集まるだろう。執筆時点で今年の阪神競馬場では、どのようにチューリップとサラブレッドを一つのフレームに収める事が出来るか分からないでいる。

 が、その限られた中でワタシが見つけた目線で「チューリップとサラブレッド」を一枚の絵で表現し、季節の移り変わりを感じてもらい、新たな競馬の楽しみを見つけてもらうことが一つの目標である。

岡田修平

1969年 大阪府池田市生まれ
工芸高校写真工芸科、在学中に川本武司氏に師事。
1987年の卒業と同時に「JRA関西広報カメラマン」として撮影を始める。
また師匠の勧めで大阪芸術大学写真学科に進学、卒業後フリーカメラマンとして活動。
競馬をメインフィールドに雑誌、ポスター、カレンダー、DVD等に作品を発表。
フランス凱旋門賞をはじめ、海外大レースの撮影に積極的に参加。
最近は、各インターネット媒体コンテンツへの写真提供もこなし、更なる飛躍を目指している。

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