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2025年03月20日 (木)

 天皇賞春のステップレースと知られる、3000mの長距離重賞競走「阪神大賞典」

 昨年の勝ち馬テーオーロイヤルはこのレースを制し、続く天皇賞春でも1着となった事は記憶に新しい。

 今回のアノ瞬間は2021年のディープボンドが勝利した第69回阪神大賞典を振り返りたいと思う。  

 リアルでワタシの事を知っている方は、いつも元気な人と思っているだろう。  

 しかし意外にも幼少期は虚弱体質で、しょっちゅう幼稚園や小学校を休んでいた児童であった。  

 小学校高学年になり心身が成長すると、それまでの虚弱体質が噓だったかのように元気溌剌となり、大きな怪我や病気とは無縁でこの時まで過ごしていた。  

 しかし、この年の阪神大賞典の週の火曜日の夜に下腹部に鈍痛が起きた。  

 症状を調べると「尿管結石」のようであり、水を大量に飲んでその日は眠りについた。  

 一晩越すと痛みもマシになり、とにかく水を多めに飲んでゆっくりしていたのだが、昼前に強烈な痛みに襲われてベッドで寝てはいられなくなった。  

 痛みは増すばかりで落ち着く気配がない。我慢の限界でついに救急車を呼んだ。  

 当時はコロナ騒動真っ最中で、救急病院に入るにもPCR検査にインフルエンザ検査をして陰性を確認してからCT検査を受けた。  

 「憩室炎(けいしつえん)」と診断され、即入院となった。  

 生まれた時に入院して以来、骨折もなければ点滴も受けた事がなかったので、初めての点滴からの入院に戸惑った。  

 翌日には退院できるかな?と思っていたら、最低1週間は入ってもらいます!と言われた。  

 当時はコロナ対策でフリーカメラマンは抽選で5名が撮影出来る状況で、その週のワタシは土日の撮影許可があったが土曜日の撮影は事情を伝えてキャンセル。  

 日曜日の夜からドバイワールドカップの撮影に向かう予定も、水曜日発の飛行機へと変更。  

 断食、点滴で痛みは直ぐになくなり、病院ではひたすら寝て過ごした。  

 重賞の阪神大賞典はどうしても撮りたかったので担当医にお願いして、日曜日の数時間の外出許可を貰い、5日間固形物を食べていない状態で阪神競馬場へ向かった。  

 そこで撮影した阪神大賞典でディープボンドが勝ったのが、第69回(2021年)の話である。  

 菊花賞4着の長距離実績が活きた、危なげないレースで完勝。  

 次走の天皇賞春では堂々の1番人気で出走(結果ワールドプレミアの2着)  

 その後は昨年の有馬記念まで走り、息の長い活躍を見せた。  

©Shuhei-Okada.com
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 食べ物を食べていない状態で持つ望遠レンズはいつも以上に重く感じた。  

 メインレースを撮影するとすぐに病院に戻り静養、最初に言われた通りきっちりと1週間入院して完治。  

 水曜日に退院してその日の晩からドバイワールドカップ撮影に向かった。  

 余談になるが、退院後しばらくは脂っこい物やスパイスが効いた物を食べることは極力控えるように、と言われて向かったドバイ。  

 シリアルを中心に食事をしていたが、今までそんなに好きではなかったシリアルがこの時以来好物である。  

 再発率が高いと言われている憩室炎だが、今のところ何も問題なし。  

 病気とは無縁と思っていた人生だったが、いきなりの痛みからの入院生活、という想像していなかった出来事が起きた2021年。  

 「阪神大賞典」と聞くと一時退院して撮りに行ったこの年のエピソードを思い出す。 

岡田修平

1969年 大阪府池田市生まれ
工芸高校写真工芸科、在学中に川本武司氏に師事。
1987年の卒業と同時に「JRA関西広報カメラマン」として撮影を始める。
また師匠の勧めで大阪芸術大学写真学科に進学、卒業後フリーカメラマンとして活動。
競馬をメインフィールドに雑誌、ポスター、カレンダー、DVD等に作品を発表。
フランス凱旋門賞をはじめ、海外大レースの撮影に積極的に参加。
最近は、各インターネット媒体コンテンツへの写真提供もこなし、更なる飛躍を目指している。

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