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2025年04月04日 (金)

 今年もドバイワールドカップの季節がやって来た。

 今年はラマダンの影響で4月5日(土)に開催される第29回ドバイワールドカップ!

 ドバイワールドカップにまつわる話といえば、2011年3月26日ヴィクトワールピサが日本調教馬として初めて優勝した第16回の話をせずにはいられない。

 2011年3月11日午後2時46分、未曾有の大地震が東北地方を襲った。

 ワタシはその時、新幹線に乗車中であと少しで新大阪駅に到着というタイミングであった。

 緊急停止した新幹線の車内放送で「ただいま関東地方で大きな揺れを検知したため、安全点検を行います」とアナウンスがあり、しばらく待ったのちにノロノロ運転で新大阪駅に到着。

 新大阪駅の待合室で見た東北地方の映像には、今までに見たことがない津波の映像が映し出されていた。自分には何も出来ない無力感を味わった。

 2008年より毎年撮影に訪れているドバイワールドカップ、この年も勿論行く予定だった。

 しかし、国の一大事であり多くの方が犠牲になった東北大震災。電力など色々なことが自粛モードの中、競馬の撮影で海外に行っても良いのかと自問自答したことを覚えている。

 関東圏での競馬開催は難しく、阪神競馬場で関東の重賞競走が行われるなどの方法で競馬の開催は続いており、関西在住のワタシはいつものように撮影を続けた。そんな状況下での競馬も、被災地のファンからしたら楽しみの一つであり、希望に繋がるという声を聞いた。

 自粛も大事だが、動けるのであれば動ける人が動けば良い!ワタシの写真で勇気付けられる人が一人でもいるなら、自分の出来る事は現地の空気感を届ける事だと思い、ドバイに行く事を決めた。

 前年の2010年からメイダン競馬場での開催に変わり、ドバイワールドカップの馬場もAW(オールウェザー)コースにて施行(2015年からダートに戻っている)という事で芝コースを得意とする馬も含めて3頭の日本馬が参戦した2011年。

 ジャパンカップダート・フェブラリーステークスを連勝中のダート王トランセンド。前年の有馬記念1着のヴィクトワールピサと2着のブエナビスタ。日本が誇る三本の矢が出走するとあって大いに期待が寄せられた。

 日本馬に騎乗する騎手が喪章を付けて臨んだ一戦のドバイワールドカップ。

 好スタートから逃げる藤田伸二騎乗のトランセンド、ヴィクトワールピサ&ブエナビスタは後ろからの競馬。スローペースと見るや向こう正面では2番手までポジションを上げる、ヴィクトワールピサのデムーロ騎手。

 先頭トランセンド、2番手ヴィクトワールピサの隊列が続き、4コーナーでも抜群の手応えの二頭。直線でも脚色は衰えることなく二頭のマッチレース、最後の最後まで並んでゴール!

©Shuhei-Okada.com
©Shuhei-Okada.com

 僅かに外のヴィクトワールピサが前に出ており(半馬身差)デムーロ騎手のガッツポーズが飛び出した。

©Shuhei-Okada.com
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 2着にトランセンドが入り、日本馬のワンツーフィニッシュが決まった。(ブエナビスタは8着でゴール)

©Shuhei-Okada.com
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©Shuhei-Okada.com
©Shuhei-Okada.com
©Shuhei-Okada.com
©Shuhei-Okada.com

 遠いドバイでの偉業に、日本の競馬ファンに大きな希望を与える結果となった。

 その後、制作されたヒーロー列伝にワタシの写真が採用された。

©Shuhei-Okada.com / ©JRA

  このポスターに勇気と元気を貰ったという話を聞き、大変な時だったが撮りに行って良かったと心から思った。

 今年のドバイワールドカップも後世に残せる写真を撮りたいと思う!

岡田修平

1969年 大阪府池田市生まれ
工芸高校写真工芸科、在学中に川本武司氏に師事。
1987年の卒業と同時に「JRA関西広報カメラマン」として撮影を始める。
また師匠の勧めで大阪芸術大学写真学科に進学、卒業後フリーカメラマンとして活動。
競馬をメインフィールドに雑誌、ポスター、カレンダー、DVD等に作品を発表。
フランス凱旋門賞をはじめ、海外大レースの撮影に積極的に参加。
最近は、各インターネット媒体コンテンツへの写真提供もこなし、更なる飛躍を目指している。

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