2024年10月の開催を最後に閉鎖された、シンガポールにあるクランジ競馬場。
それまでのブキッ・ティマ競馬場がシンガポール政府からの立ち退き命令により、代わって2000年に開場したクランジ競馬場。
コスモバルクやシャドウゲイトなど日本馬も活躍した、国際競走を施行していた時期もあったが、人気の低迷が続き閉鎖されることとなった。
土地の少ないシンガポールにおいて、売り上げが減少していたシンガポール競馬。
競馬場の広大な土地の跡地利用の名目で、政府に2027年に返還予定であるという。
180年以上の歴史を持つシンガポール競馬は、あまりにもあっけなく終わってしまった。
ワタシは過去に2010年と2014年の2回、国際競走の撮影にクランジ競馬場に訪れた。
赤道付近の蒸し暑い気候ながら、たくさんの花が植えられていて美しい競馬場にとても感心した。
年間平均27℃という常夏のシンガポールでは、外は暑く、中はエアコンが効きすぎて寒い!というのが公共交通機関やホテル、ショッピングモールもそうであった。
競馬場も同じで、とてもエアコンが効いているのでプレスルームは快適なのだが、そのままでは外気温との差でレンズが曇ってしまう。
だから競馬場に着くとカメラとレンズは真っ先に、屋外のテラスに置いて外の気温に合わせるということをしていた。
競馬場のスタンドも大きく、馬場も広いクランジ競馬場。











この当時はお客さんも多く来場しており、場内も賑わっていた。
そこから10年で閉鎖になるとは夢にも思っていなかった。
馬場側のウイナーズサークル付近やパドックの随所に綺麗な花が植えられており、騎手や馬とも絡めて撮れるので楽しみながら撮影に励んだ。
色鮮やかな赤色、黄色、オレンジ色の花がこれでもかと咲いており、日本の競馬場とは全然違う感覚で撮ることができる。







また暑さ対策のためにナイター競馬で開催されるので、照明に照らされる花も趣があって良い。
花と競馬を楽しく撮影し、面白い絵が作れて「シンガポール競馬最高!」なんて思っていると、シンガポールでも嫌な事が起こる!
それは、いきなりやってくるスコールである。
晴れていたのが突然曇りだしたと思ったら、雷鳴轟きバケツをひっくり返したような大雨が物凄い勢いで降ってくる。
人もカメラ(レンズ)も、一瞬でビチョビチョになるので油断出来ない。
熱帯雨林気候なので短くて30分弱、長くても2時間弱で上がって何事もなかったかのように晴れるという。

滞在中にもスコールの洗礼に数度やられている。
蒸し暑い気温の中でカッパを着るのは、罰ゲームに近かったのを思い出す。
これらを含めても総じて良い印象しか無い、シンガポール競馬。
閉鎖のニュースを聞いた時は、もう行く機会が無いのかと悲しい気持ちになったが、これも時代の流れなのかもしれない…。
クランジ競馬場とマカオのタイパ競馬場と、数度訪れた事のある競馬場が昨年閉鎖された。
それぞれの思い出シーンをUMATOにて回顧する事になるなど、当時では想像も出来なかった。
写真で偲んでは、時折当時の事を思い出したい。






