1997年に開催された、第14回マイルチャンピオンシップ。
後に日本競馬史上最強マイラーと呼ばれる「タイキシャトル」が誕生したレースである。
18頭が出走した第14回マイルチャンピオンシップ。
桜花賞馬のキョウエイマーチ、前年の覇者ジェニュイン。
ヒシアケボノ、マイネルマックス、シンコウキング、タイキフォーチュンといった6頭のG1馬が集った。
しかしながら4歳馬(当時の表記)の、安田記念で3着と好走したスピードワールドが1番人気。
2番人気は重賞連勝中のタイキシャトル。
G1未勝利の4歳馬2頭が1・2番人気を分け合う形となった。
また、覚醒前のサイレンススズカも一緒に走っているという豪華メンバーが揃った一戦。
スタートしてすぐに、タイキフォーチュンが落馬というアクシデント。
好スタートから先手を奪った桜花賞馬キョウエイマーチ。
連れて2番手追走のサイレンススズカ、3番手争いが外ヒシアケボノ、内タイキシャトル。
1000メートルを56秒5という超ハイペースで逃げたキョウエイマーチ。
直線に向いたところで2番手追走のサイレンススズカ、3番手追走のヒシアケボノが早々に脱落。
キョウエイマーチが一頭抜け出した外から、タイキシャトルがじわりじわりと差を詰める。
追い出されると鋭く伸びるタイキシャトル。
残り150mでキョウエイマーチを一気に抜き去った。
そのままキョウエイマーチに2馬身半差をつけて、先頭でゴールを駆け抜けた。


重賞3連勝で、G1ウイナーとなったタイキシャトル。





勢いそのままに、暮れに開催されたスプリンターズステークスも制した。

JRA賞最優秀短距離馬のタイトルを獲得。
翌1998年は圧巻の成績を残した。
休み明けの京王杯スプリングカップをレコードタイムで制すと、大雨で超不良馬場の安田記念でもパフォーマンスを落とさず快勝。

8月に海外遠征を敢行し、ジャックルマロワ賞を1番人気に応えて優勝。
前週のシーキングザパールに続いて、2週連続の日本調教馬によるフランスG1勝ちとなった。
凱旋帰国した初戦は、連覇を狙う第15回マイルチャンピオンシップに出走。
単勝オッズ1.3倍という圧倒的な1番人気に支持された。
好位追走から直線で先頭に立つと、あっという間に後続との差を広げ、2着ビッグサンデーに5馬身差をつける圧勝劇を演じた。



マイルチャンピオンシップを凱旋勝利したタイキシャトル。

引退レースとして選ばれたのはスプリンターズステークス。
ここでも圧倒的な1番人気に支持されたが、先に抜け出したところをマイネルラヴ(1着・アタマ差)、シーキングザパール(2着・クビ差)に差されて3着。
この日の最終レース後に、引退式が行われた。

フランスのG1を含む3勝を挙げ、JRA最優秀短距離馬、最優秀5歳以上牡馬、年度代表馬のタイトルを獲得。
史上初の短距離馬による年度代表馬受賞となった。
また、フランスの年度代表表彰において最優秀古馬にも選出され、日本とフランスで受賞。
史上最強マイラー、タイキシャトル。
この伝説は第14回(1997年)のマイルチャンピオンシップから始まった!






