UMATO

2025年12月07日 (日)
チャンピオンズC

 2000年に創設された、ジャパンカップダート。
 ジャパンカップ同様に、ダートの強豪を集めて世界的な大レースにすべく国際招待競走として始まった。

 当初は東京競馬場の2100mで行われ、ジャパンカップ前日の土曜日に開催されていた。
 11月の最終週ということもあり、アメリカ競馬の祭典”ブリーダーズカップ”から日程的に詰まっているため、12月頭の阪神競馬場での開催に移行された。
 現在は中京競馬の1800mで行われる国際競走となっている。

 過去の25回の歴史の中で、唯一の外国馬の勝利となっているのが2003年の第4回ジャパンカップダートである。
 ワタシの中でも、とても思い出深いレースである。

 大雨の中で行われた第4回ジャパンカップダート、外国馬二頭を含む16頭が出走。
 カネツフルーヴの逃げで始まったレースは、フリートストリートダンサーが3番手、1番人気のアドマイヤドンは5番手を追走。

 3コーナー手前から2番手にポジションを上げる、フリートストリートダンサーの鞍上J.コート。
 最後の直線に向くと、逃げたカネツフルーヴを早めに捉えて先頭に立つ。外からアドマイヤドンがじわじわと差を詰める。

 二頭のマッチレースとなったが、残り50mで前に出たアドマイヤドン。
 大勢は決したと思われたところから、もう一度加速して伸びを見せるフリートストリートダンサー。

©Shuhei-Okada.com

 二頭が並んでゴール。

©Shuhei-Okada.com
©Shuhei-Okada.com

 内のフリートストリートダンサーか、外のアドマイヤドン。
 どちらが勝ったのか全く分からなかったが、写真判定の結果。
 内のフリートストリートダンサーに軍配が上がった。

©Shuhei-Okada.com
©Shuhei-Okada.com
©Shuhei-Okada.com

 この勝利によって、ジャパンカップダート史上初の外国馬の勝利の記録として燦然と輝いている。

 外国馬の勝利もそうだが、この年のジャパンカップダートには特に思い出深い理由が…

 ワタシの妻も競馬カメラマンをしており(現在も活動中)
 子供が産まれる前の東京でのG1レースにはほぼ二人で撮影に行っていた。

 二人で東京への移動を考えると、時間はかかるが経費的な面で車移動だった。
 この日は1日中雨の予報だったので、家を4時くらいに出て昼前に着けばいいかと目覚ましをセット。

 しかし何故かアラームが鳴らず、目覚めたのは8時半過ぎ!?
 大慌てで家を出て、雨の高速を突っ走り。
 東京競馬場の門の前に着いたのが15時過ぎ…

 報道関係者の駐車場は東門の方、妻を先に降ろしてカメラバッグを運んでもらい、カメラもセットしてもらう。
 車を駐車場に入れたのが15時15分、レースの発走までは残り10分。
 そこからダッシュでダートコースの撮影ポジションを目指す。

 中学時代に陸上部だったとはいえ、最近にない中距離ダッシュ。
 途中吐きそうになりながらも、レースの2分前になんとか撮影ポジションにたどり着いた。

 セットしてもらったカメラを受け取り、呼吸を整える。
 肌寒い大雨だったが、もう汗だくで体から湯気が出ている。

 1周目はファインダーを覗くにも、自分の熱気でファインダーが曇る…
 2周目もさほど変わらず、仕方なく曇ったままのファインダーで狙う。 結果的にカメラの性能に助けられ、なんとか写真になっていた。
 自分のミスながらレース後にどっと疲れた。そんなジャパンカップダートだった。

岡田修平 (Shuhei Okada)

1969年 大阪府池田市生まれ
工芸高校写真工芸科、在学中に川本武司氏に師事。
1987年の卒業と同時に「JRA関西広報カメラマン」として撮影を始める。
また師匠の勧めで大阪芸術大学写真学科に進学、卒業後フリーカメラマンとして活動。
競馬をメインフィールドに雑誌、ポスター、カレンダー、DVD等に作品を発表。
フランス凱旋門賞をはじめ、海外大レースの撮影に積極的に参加。
最近は、各インターネット媒体コンテンツへの写真提供もこなし、更なる飛躍を目指している。

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