2歳女王を決める、阪神ジュベナイルフィリーズ。
それまでの阪神3歳ステークス(牡馬も出走できる関西の3歳チャンピオン決定戦)から、1991年牝馬限定の阪神3歳牝馬ステークスへと変遷。
2001年より馬齢表記が国際基準に改められ、現在の阪神ジュベナイルフィリーズとして開催されている。
個人的な話になるが、2006年にディープインパクトが凱旋門賞に出走。
これは撮りに行かねば一生後悔する、と思いフランスへと撮影に出向いた。
その後色々と刺激を受けて、海外競馬の撮影が楽しくなり、香港、ドバイ、シンガポール、イギリスなど日本馬が出走するタイミングで通い始めるきっかけになった。
12月の第二日曜日に開催される、香港国際競走。
毎年複数頭の日本馬が出走し、好成績を収めている。
残念ながらこの香港国際競走と阪神ジュベナイルフィリーズが同日に行われるため、どちらかしか撮影できないというジレンマがある。
2008年からコロナ騒動による移動制限が起きるまでは毎年、撮影のために香港に出かけていた。
ということで、この2007年の阪神ジュベナイルフィリーズはワタシがレギュラーで撮影した最後の年である。
18頭で争われた、第59回阪神ジュベナイルフィリーズ。
マイネブリッツの逃げで始まったレース、1番人気のオディールは好位の6番手を追走。
オディールを見るように2番人気のエイムアットビップ。
すぐ外に池添謙一騎乗の3番人気のトールポピー。
馬群がかたまったまま、4コーナーを迎える。
各馬が大きく横いっぱいに広がる中で、外目を通ってオディールが先頭を伺う。
連れて外からエイムアットビップが、じわりじわりと差を詰める。
エイムアットビップの脚色が良く見えたが、さらに外から一気に脚を伸ばして来るトールポピー。
阪神競馬場名物の坂を上った辺りで、形勢は一気に変わる。
トールポピーが先頭へ!
その外からレーヴダムールも並びかけてくる、内のオディールは早々に脱落。
内エイムアットビップ、中トールポピー、外レーヴダムールの争いとなった。
ターフビジョンを見ながら脚色を見極めて、狙いを定めて外にカメラを構える。

最後の最後にクビ差前に出た、トールポピーが優勝。2着にレーヴダムール。


そこから半馬身差の3着にエイムアットビップ、オディールは4着でのゴールだった。
ゴール前は結構難しい判断となったが、勝ち馬を見極めて問題なく撮影できた。






トールポピーは角居勝彦厩舎の管理馬で、前年の覇者ウオッカ(こちらも角居勝彦厩舎)はこのレースを制した後に牝馬ながら日本ダービーを制した。
トールポピーは翌年のオークス(優駿牝馬)を制し、2年連続でクラシック競走の勝ち馬を輩出して出世レースとしての地位を築いた。



今年も香港国際競走と日程が被り、香港に撮影へと向かう。
だから、残念ながら阪神ジュベナイルフィリーズは撮れない。
香港で躍動する日本馬を撮影しつつ、新たなヒロインが誕生する瞬間を香港より見届けようと思う。






