3歳馬限定のレースとして、朝日盃3歳ステークスが1949年に施行された。
その後、馬齢表記の変更を経て現在の(朝日杯フューチュリティステークス)として親しまれ続けている。
2013年まで中山競馬場の芝1600mで開催されていた朝日杯フューチュリティステークス。
しかし、独特なコース形態の中山競馬場の1600m戦。皐月賞が行われる2000m戦に直結しにくい、との理由から阪神競馬場で行われていた2000m戦のラジオNIKKEI杯2歳ステークスを中山競馬場で開催。名称をホープフルステークスとしてG2戦に格上げされ、2014年にスタートした。
そのタイミングで朝日杯フューチュリティステークスは阪神競馬場での開催へと変更された。
今回の(アノ瞬間)は、中山競馬場で行われた最後の朝日杯フューチュリティステークス。2013年の第65回のレースを、振り返りたい。
16頭が出走した、第65回朝日杯フューチュリティステークス。
1番人気に支持されたのは、アトム。2番人気に地方馬のプレイアンドリアル。
3番人気は牝馬ながら、鞍上武豊騎手のJRA全G1レース制覇がかかるベルカント。
4番人気にデビューから2連勝中のアジアエクスプレス。


快晴の空の下でスタートが切られた。
自慢のスピードでさっとハナを奪うベルカント。
プレイアンドリアルは好位をキープ、アジアエクスプレスは中団のインコースでじっくりと構える。
4コーナー付近で馬群が一団となるも先頭をキープするベルカント。
残り200mで脚色が鈍ると、外から差し馬が脚を伸ばしてくる。
坂を上った辺りでウインフルブルームが抜け出す、直ぐ外からショウナンアチーヴも襲いかかる。

この二頭の決着かと思われた。さらに外からワンテンポ遅れてR.ムーア騎乗の、アジアエクスプレスが一気の脚でまとめて差し切った。


ここまでのレースっぷりと、走りの素質で4番人気に支持されたアジアエクスプレス。
しかし連勝中のレースは、共にダート戦。

2歳のダートチャンピオンを決める全日本2歳優駿(川崎競馬場)を予定していたが除外になり、朝日杯フューチュリティステークスへと出走してきた。
初の芝レースがG1レース制覇に繋がった。
これは1984年のグレード制導入後の、芝未経験馬の芝G1レース優勝という史上初の出来事となった。


3連勝で2歳チャンピオンとなった、アジアエクスプレス。


この勝利でJRA賞最優秀2歳牡馬のタイトルを獲得。
活躍が期待された3歳シーズン。
しかし明け3歳のスプリングステークスで2着、皐月賞で6着に敗れると矛先をダートへと変えた。
第6回レパードステークスで、1番人気に支持されたアジアエクスプレス。
ここで本来の輝きを放ち、2着馬に3馬身半差をつける完勝。
芝&ダート競走の重賞制覇となった。 その後、脚部不安に悩まされ、結果的にこのレパードステークスが最後の勝利となった。
朝日杯フューチュリティステークスで見せた豪脚、レパードステークスで見せた素質。
アジアエクスプレスは故障がなければ、まだまだ勝利を積み重ねていただろうと思う。






