UMATO

2025年12月18日 (木)

 3歳馬限定のレースとして、朝日盃3歳ステークスが1949年に施行された。
 その後、馬齢表記の変更を経て現在の(朝日杯フューチュリティステークス)として親しまれ続けている。
 2013年まで中山競馬場の芝1600mで開催されていた朝日杯フューチュリティステークス。

 しかし、独特なコース形態の中山競馬場の1600m戦。皐月賞が行われる2000m戦に直結しにくい、との理由から阪神競馬場で行われていた2000m戦のラジオNIKKEI杯2歳ステークスを中山競馬場で開催。名称をホープフルステークスとしてG2戦に格上げされ、2014年にスタートした。
 そのタイミングで朝日杯フューチュリティステークスは阪神競馬場での開催へと変更された。

 今回の(アノ瞬間)は、中山競馬場で行われた最後の朝日杯フューチュリティステークス。2013年の第65回のレースを、振り返りたい。

 16頭が出走した、第65回朝日杯フューチュリティステークス。
 1番人気に支持されたのは、アトム。2番人気に地方馬のプレイアンドリアル。
 3番人気は牝馬ながら、鞍上武豊騎手のJRA全G1レース制覇がかかるベルカント。
 4番人気にデビューから2連勝中のアジアエクスプレス。

©Shuhei-Okada.com
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 快晴の空の下でスタートが切られた。
 自慢のスピードでさっとハナを奪うベルカント。
 プレイアンドリアルは好位をキープ、アジアエクスプレスは中団のインコースでじっくりと構える。
 4コーナー付近で馬群が一団となるも先頭をキープするベルカント。

 残り200mで脚色が鈍ると、外から差し馬が脚を伸ばしてくる。
 坂を上った辺りでウインフルブルームが抜け出す、直ぐ外からショウナンアチーヴも襲いかかる。

©Shuhei-Okada.com

 この二頭の決着かと思われた。さらに外からワンテンポ遅れてR.ムーア騎乗の、アジアエクスプレスが一気の脚でまとめて差し切った。

©Shuhei-Okada.com
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 ここまでのレースっぷりと、走りの素質で4番人気に支持されたアジアエクスプレス。
 しかし連勝中のレースは、共にダート戦。

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 2歳のダートチャンピオンを決める全日本2歳優駿(川崎競馬場)を予定していたが除外になり、朝日杯フューチュリティステークスへと出走してきた。
 初の芝レースがG1レース制覇に繋がった。
 これは1984年のグレード制導入後の、芝未経験馬の芝G1レース優勝という史上初の出来事となった。

©Shuhei-Okada.com
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 3連勝で2歳チャンピオンとなった、アジアエクスプレス。

©Shuhei-Okada.com
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 この勝利でJRA賞最優秀2歳牡馬のタイトルを獲得。
 活躍が期待された3歳シーズン。
 しかし明け3歳のスプリングステークスで2着、皐月賞で6着に敗れると矛先をダートへと変えた。

 第6回レパードステークスで、1番人気に支持されたアジアエクスプレス。
 ここで本来の輝きを放ち、2着馬に3馬身半差をつける完勝。
 芝&ダート競走の重賞制覇となった。 その後、脚部不安に悩まされ、結果的にこのレパードステークスが最後の勝利となった。
 朝日杯フューチュリティステークスで見せた豪脚、レパードステークスで見せた素質。
 アジアエクスプレスは故障がなければ、まだまだ勝利を積み重ねていただろうと思う。

岡田修平 (Shuhei Okada)

1969年 大阪府池田市生まれ
工芸高校写真工芸科、在学中に川本武司氏に師事。
1987年の卒業と同時に「JRA関西広報カメラマン」として撮影を始める。
また師匠の勧めで大阪芸術大学写真学科に進学、卒業後フリーカメラマンとして活動。
競馬をメインフィールドに雑誌、ポスター、カレンダー、DVD等に作品を発表。
フランス凱旋門賞をはじめ、海外大レースの撮影に積極的に参加。
最近は、各インターネット媒体コンテンツへの写真提供もこなし、更なる飛躍を目指している。

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