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 3月の到来を告げる、桜花賞トライアルレース「チューリップ賞」。
 阪神競馬場の芝1600mで行われるG2レース・チューリップ賞(当時はG3レース)は、かつて本番の桜花賞と同距離・同コースで行われていた為、連勝する馬が多かった。
 最近はローテーションの多様化で2歳G1レースから直行するなど、近年は勝ち馬から桜花賞馬が出ていない。トライアルレースとしての存在意義が薄れつつある。

 第17回(2010年)のチューリップ賞は、色々と思い出深いレースとなった。

 この年から国際競走となり、16頭立てで行われた第17回チューリップ賞。
 圧倒的な1番人気に支持されたのは、阪神ジュベナイルフィリーズに勝利した2歳牝馬チャンピオンのアパパネ。
 後に三冠牝馬に輝くアパパネ、3歳の初戦に選んだのが本番と同じ舞台のチューリップ賞だった。

(アパパネのオークス一着同着コラムはこちら

 16頭で争われたレースは、藤岡佑介騎乗のストレンジラブが逃げる形に。
 好位の4番手のポジションを取るアパパネ、そのアパパネを見るようにショウリュウムーンが追走。
 ストレンジラブの逃げが残り200mでいっぱいになると、アパパネ鞍上の蛯名正義が満を持して追い出すとすっと加速する。
 ワンテンポ遅れて、外から追走のショウリュウムーン。

©Shuhei-Okada.com
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 二頭のマッチレースかと思われたが、あっさりとアパパネを交わし3/4馬身差をつけて先頭でゴール。

©Shuhei-Okada.com

 前走の未勝利戦を勝ち上がったばかりの9番人気の伏兵が、後の三冠牝馬を差し切ってみせた。
 鞍上は園田競馬の木村健。人馬共に嬉しい重賞初制覇となった。

 アパパネが抜け出した時には、やはり2歳女王が強いか!?とカメラを構えるも、どうも外の脚色が良い。
 内からエーシンリターンズも脚を伸ばしてくる。
 狙いは三頭の中から見極める。
 ゴール板が迫る中でターフビジョンを冷静に見極めて、脚色と伸び具合を判断し勝ち馬にレンズを振った。

 ショウリュウムーンが差し切っているとは思ったが、ゴール板付近で木村健騎手のガッツポーズが出なかったため、アレ?勝ち馬間違えた??と一瞬思い焦ったがキッチリと差していた。

 ウイニングランでガッツポーズの木村健騎手。

©Shuhei-Okada.com
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 管理していたのは今年で定年退職を迎える、佐々木昌三調教師。
 チューリップ賞を鮮やかに勝利したショウリュウムーン。

 続く桜花賞では鋭く追い込むも4着、オークス17着、秋華賞16着。
 G1レース勝利とはならなかったが、2011年には京都牝馬ステークス、2012年は朝日チャレンジカップを制して、3年連続重賞勝利という記録を作った。

 現役引退後に繁殖に上がってからは、初仔のショウリュウイクゾが日経新春杯を制し、産駒が重賞制覇して親子での重賞制覇となった。

 2歳女王のアパパネが負けて園田競馬所属の木村健騎手がJRA重賞初制覇、と何かとインパクトの強かった第17回チューリップ賞。
 あれから16年が経ち、今年も桜花賞トライアル「チューリップ賞」が行われる。

 今年もしっかりと勝ち馬を見極めて、後世に残せる写真を狙おうと思う。

岡田修平 (Shuhei Okada)

1969年 大阪府池田市生まれ
工芸高校写真工芸科、在学中に川本武司氏に師事。
1987年の卒業と同時に「JRA関西広報カメラマン」として撮影を始める。
また師匠の勧めで大阪芸術大学写真学科に進学、卒業後フリーカメラマンとして活動。
競馬をメインフィールドに雑誌、ポスター、カレンダー、DVD等に作品を発表。
フランス凱旋門賞をはじめ、海外大レースの撮影に積極的に参加。
最近は、各インターネット媒体コンテンツへの写真提供もこなし、更なる飛躍を目指している。

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