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2024年07月03日 (木)

リラックスしている顔©大友和哉

 「乗馬始めて見ませんか?」

 乗馬というと皆さんからいつも言われる事はだいたい決まっています。「すごくお金がかかるんでしょ」、「とても敷居が高くて始めづらい」、「落ちたら危ない」、こんなところでしょうか。正直否定できない部分も無い事はないのですが、乗馬についてまたは馬についてよく知っていくとそれらの事を差し引いても余りある乗馬の魅力に出会えるはずです。このサイトを通して少しでも乗馬あるいは馬が皆さんの身近なものになっていってくれたらいいなと思っています。

 私が乗馬を始めたのは小学校低学年のころだったかと思います。競馬ファンだった父に連れていかれたのが初めです。全然やりたくなかった事を覚えています。しかし何故かはまってしまって彼此30年も経ってしまい果ては仕事にまでなってしまいました。何度か辞めるターニングポイントはありましたがそのすべてで彼らの顔が浮かんで辞めることは出来ませんでした。

 

 彼らの知能は人間で言って3~4歳と言われていて、喜怒哀楽を表情や仕草でかなりの事を伝える事が出来ます。特に表情は「かわいい」だけでは言い表せない奥の深い彼ら魅力の一つであるでしょう。競技に出ていく前の凛とした表情、ブラシ掛けをしていて痒い所に手が届いた時に見せる気持ちよさそうな表情、痛い所がある時の辛そうな表情、嫌なことをされた時の怒っている表情、上げればきりがありませんが彼らは本当に感情豊かに私たちに対してくれます。

怒っている顔©大友和哉

 

気持ちよさそうな顔©大友和哉

 そんな感情豊かな彼らと接する上で、私たちも若干の心得がなければいけないでしょう。やはり犬や猫とは違いパートナーとして上に乗って色々な事をやらなければなりません。充分な信頼関係がなければそれは適わないでしょう。「ホースマンシップ」という言葉が欧米では普通に存在し辞書にも載っています。それだけ馬との関係性は大事に考えられているのです。私が聞いた中で一番分かり易いかなと思ったのは「小さな弟や妹と接するように馬と接しなさい」という言葉です。シンプルですが的を得た言葉のように思います。とても偉そうに書いていますが私自身今でも馬と本当に上手に付き合えているか、分からない事の方が多いです。それはどんな偉い先生でもそうなのではないかと思います。逆に言えば「私は馬の事は何でもわかる」という人ほど信用できない人はないでしょう。きっと最後まで分からない事と思いますがそこに魅力を感じてしまうのだと思います。

大友和哉

1986年生まれ
日本大学生物資源科学部獣医学科卒業後現在まで美浦近郊の育成牧場にて、獣医師兼ライダーとして競走馬の育成を主な業務として行いながら、日本大学馬術部のコーチとしても15年程務めている。現在全日本学生馬術大会13連覇中。
同時に馬術競技では総合競技を中心に積極的に参加し、主な成績は全日本学生馬術大会総合競技優勝、全日本総合馬術大会選手権競技5位、東京オリンピックテストイベント出場。
最近は競走馬のリトレーニングにも力を入れており、2023RRCファイナル総合馬術で3位入賞。

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