(北海道函館市)毎年1月2日
どさんこ馬の歴史・文化を近隣住民に伝え馬の安全を祈願します

市民から「八幡さま」と親しまれ、初詣には函館でもっとも多くの人が参拝する函館八幡宮。創建は室町時代の1445年。現在の社殿は1915年(大正4年)に建てられました。
その函館八幡宮では、毎年1月2日に騎馬参拝が行われます。 この行事は、1999年から毎年実施されており、どさんこ馬の歴史・文化を近隣住民に伝えるとともに函館どさんこファームのホーストレッキングの安全を祈願して行われているものです。
騎馬参拝に登場する馬は北海道産の馬・どさんこ馬です。どさんこ馬は北海道の開拓に一役買った和種の馬で日本に8種類ある和種馬のなかでは、どさんこ馬は一番頭数が多いのですが、現在では1100頭ほどしかいません。顔や目が丸く、優しい愛嬌のある顔つきが特徴で体格も、アラブ馬やサラブレッドなどの洋種より小さくて、親しみやすい馬です。

当日は正午より流鏑馬装束の騎手が乗り、本殿へと続く急斜面の石段134段を軽やかに駆け上がり、拝殿前に到着するとどさんこ馬と騎乗者は神職からお祓いを受け、1年間の無病息災を祈ります。
また境内の脇では頭を獅子舞の面で噛んでもらい、無病息災を祈る『獅子祓(ししばらい)』と呼ばれる光景が見られます。

函館八幡宮
北海道函館市谷地頭町2-5
アクセス
車◉函館江差自動車道北斗追分ICより約20分
北海道縦貫自動車道函館ICより約25分
電車◉市電 「谷地頭」電停 下車 徒歩10分

函館八幡宮の起源
祭神は品陀和気命(ほんだわけのみこと)住吉大神(すみよしのおおかみ)金刀比羅大神(ことひらのおおかみ)。
室町時代の1445年に、亀田郡の領主・河野政通が初めて函館に館を築いた折、館内に八幡神を祀ったのが起源とされ、1880年(明治13年)に谷地頭へ移りました。1915年(大正4年)に完成した現在の社殿は、本殿、幣殿、拝殿が連続した「聖帝八棟造り」と言われる形式です。函館山の緑に抱かれて津軽海峡を見おろすように建ち、威厳のあるたたずまいを見せています。特にゆるやかに曲線を描いて広がる、堂々とした屋根の造りは見事です。開拓、航海、漁業の守り神とされ、市民からは「八幡さん」の愛称で親しまれています。
取材後記…

函館八幡宮に参拝する機会があれば、近くに碧血碑がありますので、一度足を運んでみてはいかがでしょうか。碧血碑は箱館戦争での旧幕府軍の戦没者(約800名)を供養するために、函館山のふもとに建立されたものです。碧血とは「義に殉じて流した武人の血は3年たつと碧色になる」との中国故事です。文/邦馬
取材協力・写真提供
函館八幡宮
北海道函館市谷地頭町2-5
0138-22-3636
函館市観光部観光推進課
『函館市観光サイト はこぶら』
https://www.hakobura.jp
0138-21-3323




