今回から「酒馬放浪記」と題して、競馬に関係する飲食店などを不定期単発シリーズとして寄稿させていただく。
僕の好きな「吉田類の酒場放浪記」をちょっとイジったタイトルで、全国の競馬場近辺にある競馬関係者御用達のお店や、その他競馬に特化したお店などを紹介させてもらおうと思う。
第1回は、大阪府泉佐野市にある「さのちり亭」。
南海本線なんば駅から急行で35分くらいで着く泉佐野駅から、徒歩2~3分のロイヤルビルの地下1階にある居酒屋さん。
ここは、競馬が大好きな植木さんというオーナーがやっていて、泉佐野市役所の御用達になっているほどの名店。
植木さんが僕のFacebookを見てコメントを入れてくれたのが最初のきっかけで、実家の近くという事もあり、たまに行かせてもらうようになった。
それから競馬ジャーナリストの方々などから噂が広まり、厩舎関係者も訪れるようになった。
植木さんが友人と出資していたパンサラッサが福島記念を勝った時、2人で大喜びしたらしい。その友人はその後若くしてこの世を去った。
そんな物語のあるパンサラッサを担当していた、矢作厩舎の池田康宏元厩務員(2023年定年)も、僕達のメンバーからこのお店のことを知り、ちょくちょく顔を出してくださるようになった。
関西国際空港から近いというのもあり、海外遠征からの帰りに寄ってくれた事もあったらしい。
その他、河内洋調教師や池田さんの流れでの矢作芳人調教師なども来店された事がある。
このお店は競馬に特化してはいるが、居酒屋としてのポテンシャルも高い。
昔、エスニック料理のお店だったらしいが、居酒屋さんにするのにあまり改装はしなかったそうだ。そのお金を料理や器や人に使いたい、という植木さんの考えだ。
だからお店の内装と料理などはあまりマッチしていないが、どの料理も美味しく日本酒のこだわりもかなりのものだ。
日本酒のこだわりと同じく、お猪口も薩摩切子や江戸切子など高級な物が多く、これで飲むとさらに楽しくなる。
植木さんは学生の頃、ファインモーションが大好きで、よく競馬場へ応援に来てくれたらしいが、僕と知り合った当初は、僕が担当していたというのは知らなかったそうだ。
そして2023年夏、僕が札幌競馬場に出張していた時に植木さんが北海道に来て、ファインモーションとの対面が実現した。
そのファインモーションやエアグルーヴなどがレースで付けていたリボンなどは、ほとんど僕がファンの人にプレゼントした。それを一番多く持っていた札幌在住の僕の40年来の友人が、そのリボンなどを植木さんのお店へ寄贈してくれた。
そのリボンは外す時にタテガミが抜けて付いたままになっている。グルーヴのタテガミはもう形見の品になってしまった。
競馬ファンの皆様で興味のある方は、関西国際空港など泉佐野市方面に来られた際、是非この「さのちり亭」にお立ち寄りくださいませ!