毎年桜が満開の中で行われるG1レース、桜花賞。
牝馬三冠路線の第一弾である桜花賞は、阪神競馬場の向こう正面に見える満開の桜並木に見守られながらレースが行われる。
ダービーも有馬記念も華やかなレースだが桜に見守られながら行われることはなく、桜花賞独特な雰囲気が漂うレースであり、ワタシの好きなレースの一つである。
第57回(1997年)の桜花賞は生憎の雨であったが、二頭のライバル物語が誕生したレースとなった。
暮れの阪神3歳牝馬ステークス(G1)を制し、5戦4勝で最優秀賞3歳牝馬(当時の表記)に輝いたメジロドーベル。
圧倒的1番人気で臨んだチューリップ賞でまさかの3着に敗退し、この桜花賞は2番人気で出走。
その桜花賞で1番人気に支持されたのがキョウエイマーチである。
ここまで5戦4勝の成績で前走の報知杯4歳牝馬特別(現フィリーズレビュー)を危なげなく制し、桜花賞へと駒を進めてきた。
前日から降り続く雨の影響により不良馬場で行われた桜花賞、大外18番枠からスタートの松永幹夫騎乗のキョウエイマーチ。
ゲートが開くとすぐさま前方のポジションをキープし、逃げたミニスカートの2番手でレースを進める。
一方の吉田豊騎乗のメジロドーベルは16番枠からのスタートで、後ろから5頭目の後方待機策というレースプラン。
4コーナーで早くも先頭に立つキョウエイマーチ、対してメジロドーベルも3番手まで進出しており最後の直線で二頭の一騎打ちかと思われた。
2番手に上がったメジロドーベル、しかし残り150mでの4馬身差は一向に詰まらず、二頭が同じ脚色のままでキョウエイマーチが先頭でゴール。
4馬身差の2着でゴールのメジロドーベル、3着にホーネットピアスが入った。
内から逃げ粘るキョウエイマーチ、外から差してくるメジロドーベル!
という具合に実力が抜けた二頭のマッチレースで接戦になるか?
と思われたレース前のイメージは、不良馬場の影響もあってか二頭の差は詰まらずで4馬身差も開くという簡単なレース撮影となった。






しかしながら華やかなイメージが強い桜花賞も雨の中で行われたので、全体的に暗い感じの写真になってしまい残念な感じであった。
続くオークス(優駿牝馬)で1着となったメジロドーベル(キョウエイマーチは11着)、秋の三冠最終戦となる秋華賞でもメジロドーベルが早め先頭から桜花賞のように押し切ろうとするキョウエイマーチ(2着)を差し切って対戦成績を2勝1敗とし、JRA最優秀賞4歳牝馬(当時の表記)に輝いた。
桜花賞・オークスで1番人気のキョウエイマーチ(桜花賞1着)
秋華賞で1番人気のメジロドーベル(オークス&秋華賞1着)
という人気と実力を分け合った1997年の牝馬三冠路線ライバル物語であった。
春の桜花賞時点でこの二頭の能力がずば抜けていると判断し、この二頭の馬連1万円を1点のみ購入。
馬連16-18の払い戻し金510円は、馬券下手のワタシにとっては珍しく1点で的中した。
G1レースを一点買いして当てて、とても喜んだのを昨日のことのように思い出す。