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2024年12月07日 (日)

©Shuhei-Okada.com

 2011年3月に未曽有の災害が東北地方を襲った。その東日本大震災の甚大な被害を受けて、日本中央競馬会(JRA)も、中止や開催場の変更を余儀なくされた。特に関東エリアでの競馬は開催すら出来ず、関西の競馬場での関東重賞開催などに割り振られることとなった。

 その震災の影響により、この年の皐月賞は予定より一週間遅れで23年ぶりの東京競馬場での開催となり、ステイゴールド産駒の栗毛馬オルフェーヴルが、弾むようなフットワークを駆使し、三馬身差をつけて快勝した。久しぶりに関東圏で行なわれた競馬で、目の前のファンに三冠馬の期待と希望を与える結果となったと同時に、日常の中に競馬が帰って来て競馬を楽しみに待っていた人々に勇気も与えるレースとなった。

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 世間一般では、ギャンブルとしてのイメージの強い競馬だが、この状況下で競馬の持つスポーツとしての魅力、選りすぐりの血統から導かれた歴史や筋書きの無いドラマは、改めて感動を生むものだと再認識し、震災に負けず、多くのファンに支えられて盛り上がる日本の競馬シーンを切り撮って、後世に伝えて行こうと改めて思うのであった。

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 「頑張ろう日本、サラブレッドから元気を」とゴール板に飾られた二冠目の第78回東京優駿(日本ダービー)は皐月賞の好天とはうってかわって、台風と梅雨のタイミングにはまり、土砂降りの雨の中での開催となってしまったが、前走の勝ちっぷりから一番人気に支持されたオルフェーヴルは、降り続く雨で不良馬場となった芝コースでも、その能力を思う存分発揮し、極悪馬場をものともせずにその期待に応えて、2着のウインバリアシオンに1馬身3/4をつけて二冠奪取に成功し、2着から3着は7馬身差も開く圧倒的な差で三冠達成へ夢が大いに膨らんだ。

 ちなみに新潟デビューのダービー馬はシンボリルドルフ以来、東京競馬場での皐月賞・ダービーの二冠制覇はシンザン以来という共に偉大な三冠馬の称号を得た先輩達に続く快勝となった。

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 皐月賞で光輝く栗毛の馬体を披露したオルフェーヴルも、日本ダービーでは全身ずぶ濡れになりながらの力走で、口取り撮影時には、さらに一段と雨が強まる中で壮絶な戦いを制した関係者の安堵が表情に現れており、ダービー制覇という重みが感じ取れた。
 順調に夏を過ごし、秋には三冠を達成したオルフェーヴル、翌年には日本競馬界悲願の凱旋門賞制覇へ後一歩のところまで迫った愛すべきキャラクターの持ち主も、雨の中での撮影はこの一戦のみで、その時に撮影した写真には雨粒が写り込み、土砂降りのダービーという雰囲気のある写真が撮れたが、雨に弱い精密機械であるカメラを守るべく、カメラ用のカッパで完全武装はしてはいたが、歴史的なシーンを残すべく撮影に動き回った結果、ワタシをはじめ周りの多くのカメラマンがこのダービーの大雨のせいでカメラに不具合や故障が起こり、メンテナンスに出したのは今では懐かしい思い出となっている。

岡田修平

1969年 大阪府池田市生まれ
工芸高校写真工芸科、在学中に川本武司氏に師事。
1987年の卒業と同時に「JRA関西広報カメラマン」として撮影を始める。
また師匠の勧めで大阪芸術大学写真学科に進学、卒業後フリーカメラマンとして活動。
競馬をメインフィールドに雑誌、ポスター、カレンダー、DVD等に作品を発表。
フランス凱旋門賞をはじめ、海外大レースの撮影に積極的に参加。
最近は、各インターネット媒体コンテンツへの写真提供もこなし、更なる飛躍を目指している。

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