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2024年11月21日 (木)

 リヴァーレは昨年の9月に3才で競走馬を引退してやって来ました。レース体重が390㎏程のとても小柄な牝馬です。やって来たころはレース直後であったという事もあり、飼葉もあまり食べずキリキリとした感じでとても繊細な女の子でした。幸いな事に四肢に大きなケガはなくすぐに乗馬としてのトレーニングを行える状態にありました。これはとても幸いな事で多くの競走馬は何かしらのケガを抱えて引退する事が多いです。よく耳にする屈腱炎は競走馬の職業病とも言われる疾患ですが、乗馬としての調教を始めるにしても1年くらいの休養期間を設ける必要があります。

リヴァーレ©大友和哉

 そんな彼女は物覚えがとても良く、初めからとてもキレイな歩様で乗馬としての素質は十分に感じられました。しかしまだ3才と若く、乗馬としては繊細すぎて少しの強い扶助でパニックになってしまう所があり、初めのうちは慌てずに本当に簡単な事だけを求めるように心がけました。半年を過ぎて4歳になったくらいから、環境にも慣れてきたのか飼葉も良く食べる様になり、体重も430㎏位まで増えて優しい顔を見せる事が多くなってきました。

これがホントの道草©大友和哉

 その頃より騎乗しても扶助を良く受け入れてくるようになって来たので、障害練習等、少しずつ練習の負荷を上げていきました。飛越のセンスなど乗馬としての素質は十分にあったのでそこからはそれほど苦労なく調教を進められています。

 今年の7月に乗馬として初めての競技に出場しました。結果は4位と上々の成績を上げる事が出来ました。競技場では初めての環境に最初は大分戸惑っていた様子でしたが3日間の競技中にどんどん競技に順応し、成長してくれました。その成長ぶりは私の想像を良い意味で上回ってくれ、とても頼もしく感じています。競技詳細は「競走馬から乗馬へ 初めての競技会編」 

 前回の競技はかなり暑い中での競技となりましたが馬体を減らすこともなく、また夏の暑さにも負けず順調に現在調教を行えています。現在は体重も440㎏ともう一回り成長してくれています。前回の反省としては馬場馬術において、緊張によるリズムの乱れが一番の反省でありました。トレーニングにおいてもっと馬との深い繋がりが持てる、また扶助に対する安心感が与えられる事が改善点と認識し、トレーニングを進めています。

 次回の競技は10月1週目のRRC総合馬術茨城大会を予定しています。前回課題である馬場馬術で得点率を65%にするのが目標です。年末のファイナル大会への権利は取れましたが、ファイナル大会で勝ち負けをするレベルにはまだ達していないので、次の競技にてもうひと回り成長して帰って来たいと思っています。

眩し!©大友和哉

大友和哉

1986年生まれ
日本大学生物資源科学部獣医学科卒業後現在まで美浦近郊の育成牧場にて、獣医師兼ライダーとして競走馬の育成を主な業務として行いながら、日本大学馬術部のコーチとしても15年程務めている。現在全日本学生馬術大会13連覇中。
同時に馬術競技では総合競技を中心に積極的に参加し、主な成績は全日本学生馬術大会総合競技優勝、全日本総合馬術大会選手権競技5位、東京オリンピックテストイベント出場。
最近は競走馬のリトレーニングにも力を入れており、2023RRCファイナル総合馬術で3位入賞。

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