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2025年01月30日 (木)

 11月29日~12月1日に東京のJRA馬事公苑にて行われたRRC(引退競走馬杯)ファイナル大会にリヴァーレと共に参加して来ました。

 ファイナル大会は各地の予選を勝ち抜いた馬達で競われます。今年は障害馬術が28人馬、馬場馬術が16人馬、総合馬術は20人馬が集まり競技が行われました。

 総合馬術にはパリオリンピック総合馬術団体銅メダルの「初老ジャパン」メンバーの北島選手、田中選手、根岸監督が、馬場馬術には有馬記念優勝馬のブラストワンピース(2年連続出場)、障害馬術にはGⅠ競走でも活躍したダンビュライトなども出場し、普段の競技会よりも沢山の観客が集まり華やかな舞台となりました。

馬事公苑厩舎にて©大友和哉

 リヴァーレは7月の福島大会にてファイナルの出場権を獲得し、ファイナル大会へ進むことが出来ました。

 その後予定通り調整と馬の経験値アップの為、10月の茨城大会に出場し、順調にファイナル大会へ出場することが出来ました。

 茨城大会では前回の福島大会での反省から馬場馬術を中心にトレーニングを行い、確実に成果が出て福島大会よりも得点率にして7%程上げることが出来ました。

 クロスカントリー及び障害飛越も前回よりも格段に安定感が有り、良い手ごたえを持ってファイナル大会に臨みました。

 初日の馬場馬術はこれまでで最高の出来で行う事が出来ました。自身でも今できるベストな演技であったと思います。結果は過去最高の68%で9位となりましたが、上々の滑り出しでスタートを切ることが出来ました。

障害飛越競技©大友和哉

 しかし2日目のクロスカントリー、3日目の障害飛越は不本意な成績となってしまいました。クロスカントリーでは障害減点こそありませんでしたが、タイムが6秒こぼれて減点2.4、障害飛越では1つの障害を落下してしまい減点4となり最終成績は12位と振るいませんでした。

©大友和哉

 馬の調教度合いや調子からすれば何も問題なくこなせるはずのコースでしたが、私のミス、不注意による過失である事は明白でした。私自身もう短くない期間競技を続けていますが「こんなにも簡単なミスをしてしまうのはいつ以来だろう」と思う程、何でもない失敗でした。本当に彼女に申し訳なく思っています。

 結果は不本意なものとなってしまいましたが、3回の競技での彼女の成長は目を見張るものが有り審判からも褒めて頂けました。上のクラスに挑戦できる能力は確実に備わってきていると思います。しかしまだ4歳と若く、繊細な面も強いため無理に上のクラスではなく足元を固める時期だと思っています。

 来年はファイナル大会で上位入賞を目標にまたトレーニングしていきたいと思います。

大友和哉

1986年生まれ
日本大学生物資源科学部獣医学科卒業後現在まで美浦近郊の育成牧場にて、獣医師兼ライダーとして競走馬の育成を主な業務として行いながら、日本大学馬術部のコーチとしても15年程務めている。現在全日本学生馬術大会13連覇中。
同時に馬術競技では総合競技を中心に積極的に参加し、主な成績は全日本学生馬術大会総合競技優勝、全日本総合馬術大会選手権競技5位、東京オリンピックテストイベント出場。
最近は競走馬のリトレーニングにも力を入れており、2023RRCファイナル総合馬術で3位入賞。

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