(福島県 相馬市・南相馬市・浪江町・双葉町・大熊町)
毎年5月の最終土・日・月曜日
一千有余年の歴史を経て、今なおいきづく伝統の祭り

相馬野馬追は、福島県の相馬地方で3日間にわたって行われる祭典で、国の重要無形民俗文化財に指定されています。
約400騎の騎馬武者が甲冑をまとい、太刀を帯し、先祖伝来の旗指物を風になびかせながらの威風堂々にして豪華絢爛な時代絵巻を繰り広げる様子は、まさに天下無比。

相馬野馬追1日目
「お繰り出し」
軍者の振旗を合図に螺役(かいやく)が高らかに螺を吹き、いざ出陣
藩政時代の行政区により、相馬中村神社・相馬太田神社・相馬小髙神社の三社にそれぞれ集合し、出陣式を行います。神社に参拝し、祝杯をあげ、やがて出陣の準備が整うと大将が出陣を命じます。軍者の振旗を合図に螺役(かいやく)が高らかに螺を吹き、いざ出陣。 総大将を擁する相馬中村神社では、出陣の儀式はとりわけ厳かです。

「総大将お迎え」
北郷勢が総大将のいる宇多郷勢を迎え御本陣、雲雀ヶ原祭場地に向け進軍!
総大将お迎えの儀式は古式に則ったもので、総大将よりの伝言は早馬により、逐一知らされ北郷陣屋にはひときわ緊張感が漂います。 その後、総大将お迎えの儀式を終えた宇多郷、北郷勢の一隊は一路雲雀ヶ原(ひばりがはら)祭場地のある原町区に向かいます。

「宵乗り競馬」
各郷の騎馬武者たちが雲雀ヶ原祭場地に集結。陣羽織姿の武者が馬にまたがり疾走
各郷の騎馬武者が祭場地である雲雀ヶ原祭場地へ到着すると馬場清めの儀式のあと、宵乗り競馬が始まります。宵乗り競馬とは、古くから伝わる和流競馬を再現し、1周1000メートルの順位を競います。
武者の衣装は、白鉢巻き・陣羽織り・袴姿、馬は和式馬具を身につけていることが特徴です。全国的にも珍しい貴重な和流競馬は、一見の価値があります。

相馬中村神社
福島県相馬市中村字北町140
アクセス
車◉常磐道相馬ICから国道115号経由 2km 約10分
電車◉JR常磐線 相馬駅下車 徒歩20分。または車5分

相馬中村神社の起源
中村城内の南西にある小高い丘に佇む『相馬中村神社』。現在の社殿は寛永20年(1643年)に建立されたもので、国の重要文化財に指定されています。別名「妙見中村神社」と呼ばれ、南相馬市の「相馬太田神社」「相馬小髙神社」とともに「相馬三妙見社」の一つとして知られています。国の重要無形民俗文化財に指定されている、平将門公ゆかりの伝統的な神事「相馬野馬追」では、出陣式の舞台となっています。

取材後記…安全にお祭りが斎行されるよう、相馬野馬追では5つの作法が定められています。①馬の前を横切ってはいけない。②高いところから見下ろしてはいけない。③馬の後方に立たない。④馬にフラッシュを当てない。⑤馬に手を出したり、大声で驚かさない。①②に関しては昔の武士に対する風習となっています。文/邦馬
取材協力・写真提供
一般社団法人相馬野馬追
https://soma-nomaoi.jp
0244-22-3064
相双地方魅力発信ポータルサイト「SOUSOU相双」
https://sou-sou-fukushima.jp
みなみそうま移住相談窓口『よりみち』
https://minamisoma-yorimichi.jp/city-nomaoi
0244-26-8518