昨年の12/20(金)~22(日)の期間、中山競馬場への出張があった。毎年JRAの売り上げNo.1の年末恒例レース「有馬記念」があった週だ。
自分の担当馬のレースは21(土)の7Rだったが、他の人の担当馬が22(日)に使うことになり、2頭を連れて2泊3日の中山遠征となった。


今まで、何回中山競馬場に仕事で来たか全く覚えていないが、もしかしたらこれが最後の出張かもしれない。
と、いうことで、今回はお別れの意味も込めて、昔を思い出しながら競馬場内外の色々な所を見て回った。
僕らが出張として泊まりで行くのは、JRAでは京都、阪神、中京を除く7つの競馬場。
夏に長期滞在する札幌と函館は別格として、やはり東京と中山に出張となると、担当馬のレースのグレード関係なしに前の日からソワソワする。
特に中山競馬場は、一番近くのJR船橋法典駅から電車に乗って、西船橋駅などから東西線や総武線で東京ドームなど都心のイベントに行けるし、京成の東中山駅からは浅草上野方面へ行ける。
いっちょかみ遊び人の僕からしたら、中山はたいへん便利な場所にある最高の競馬場なのだ。
今回、着いた金曜日は食事のお誘いがあり、夕方から都心へ向かった。
都内某所で大先輩に豪華な料理をたらふく御馳走になり、至福の夜を過ごした。


昔なら一旦厩舎に帰って、夜の飼葉を付けた後にまた西船橋あたりに飲みに行ったのだが、もう歳なので次の日のレースに向けて早めの就寝。
土曜日の朝は5時頃から仕事。まずこの日の7Rに出走する僕の担当馬のヒデノブルースカイの運動をして飼葉を付け、その後に日曜レースの他の担当馬の運動と飼葉。



朝の仕事が終わったら、近くのコンビニ弁当か24時間営業のご飯屋(吉野家など)か、厩舎構内にある厩務員食堂で朝昼兼用ご飯を食べる。
この日は久しぶりに厩務員食堂で朝定食(豚汁定食)をいただいた。記憶ではあまり良いイメージはなかったけど、思っていたより安くて美味しかった。


そうこうしていると、午前中に悲しいニュースが飛び込んで来た。有馬記念を引退レースとし、引退セレモニーまで準備されていたドウデュースが跛行で出走を取り止めたというのだ。
担当の前川和也助手とは、かなり前になるが同じ趣味のグループなどで親交ができて、現在もゴルフ仲間としてお付き合いがある。
調教助手としての資質はもちろんだが、人柄も素晴らしく誰からも好かれる人物だ。
僕の独断と偏見の競馬関係者ランキング(良いほう)では、かなり上位だと言っておこう。
そういう関係もあり、日曜の僕のレース(他の人の担当馬)が終わってから、有馬記念のスタートに間に合いそうだったので、スタンドにドウデュースの応援に行こうと決めていたのだ。


前川助手本人から「大先輩に現地で応援してもらえず残念でしたが、無事に種牡馬として送り出せるので良かったです。この馬には感謝しかないです。」と連絡がきた。
ドウデュースのレースや引退セレモニーを楽しみに来場しようと思っていたファンはめちゃめちゃ残念だろうし、僕もかなり残念だったが、やはり前川助手本人が一番ショックだったと思う。
でもこれほどの名馬を作り上げて、無事種牡馬にした彼のその功績が色褪せる事はない。
そんなちょっとショックな出来事がありつつ、自分の担当馬ヒデノブルースカイの7レースの時間が迫ってきた。
つづく