UMATO

2025年03月20日 (木)

 2024年12月22日(日)、有馬記念当日。  

 前日使ったヒデノブルースカイのチェックなど、朝は前日とほぼ同じで、午後は他の人の担当馬で僕が連れてきたブルーノートの8レースの仕事。  

朝の運動を終えた、この日出走のブルーノート。 
8レースの装鞍所への出発直前のブルーノート。
8レースのブルーノートを馬場で離した後の、中山競馬場の内馬場からスタンド方面。これが多分中山競馬場での僕の最後のレース。

 レースは前日のVTRかのような出遅れからの8着だったが、何とか怪我もなく帰ってきてくれた。成績が良いにこしたことはないが、担当者に無事に返すのが一番の仕事だ。  

 しかし、さすが有馬記念。  

 8レースで、もうスタンドはお客さんでぎっしりだった。  

 ドウデュースが出なくなって来なかった人も沢山いるだろうが、それでもこの景色……本当にありがたい事だ。  

厩舎関係者スタンドから見た、8レース出走直前のスタンド。  

 ブルーノートのチェックが終わり、帰りの荷物をまとめて、僕の今回の中山競馬場での仕事は終了。  

 ドウデュースの応援は叶わなかったが、帰りの時間までまだかなり余裕があるので、久しぶりに有馬記念を生で観るべくスタンドへ向かうことにした。  

 中山競馬場は厩舎構内に装鞍所があり、 そこからかなり長い地下道を通ってパドックへ行く。  

装鞍所から馬が出発すると、この道を通り地下道へ。
パドックまでの地下道は、かなり長い道のりだ。

 やはり有馬記念くらいのレースになると、パドックは華やかでいいねぇ。僕もここにいた事があったんやなぁ…と、懐かしく昔を思い出した。  

地下道側から見た有馬記念のパドック。
待機する誘導馬。

 そして馬たちは馬場へ。  

 この瞬間の高揚感は誰でも味わえるものではない。この場所に来れた助手や厩務員は、本当に運が良い幸せ者達だ。  

 もちろん調教師や騎手は、努力と才能のたまものだ。  

馬場へ向かう出走馬の最後尾。

 有馬記念の出走前の雰囲気は独特だ。これといって応援している馬はいなかったが、自然と興奮している自分がいた。  

厩舎関係者スタンドから見た、有馬記念出走直前の雰囲気。
2024有馬記念、1周目の1コーナー。

 友人の担当馬が出ていなかったのもあるが、何が勝ってどんなレースだったかはそれほど興味がないし、僕みたいな者が偉そうに書く事ではない。  

 皆、事故やアクシデントなく無事に終わって良かった!ただそれだけだ。  

有馬記念のレース後の検量室前。みんなお疲れ様!

 中山競馬場は僕の担当馬としてはGレースはもとより、勝ち星も少なくて相性の悪い競馬場と言ってもいいだろう。  

 負けて悔しかったレースが圧倒的に多いが、場外遊びを含め楽しい思い出もいっぱいだ。  

一番最近で、中山競馬場で勝った(現2勝クラス)のは2017年のアドマイヤナイト。

 またいつか、友人の担当馬の応援かなんかで、ふらりとここにお客さんとして遊びに来たいと思う。 

田中一征

1960年大阪府泉大津市生まれ
JRA栗東トレーニングセンター梅田智之厩舎厩務員
元伊藤雄二厩舎でワコーチカコ、エアグルーヴ、ファインモーションなどを担当。今年で43年目となり7月に定年退職予定。

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