昨年の9月に新潟競馬場へ行った時、このコラムで「もしかしたらこれが最後かも?でも来年5月に来たりして…」と書いたが、やはりまた来た。
今年に入ってからは、定年退職直前という事で「最後の〜シリーズ」が多くなっている。厩務員を辞めてからは、今までの僕や周りの馬と人の歴史を語ったり、今までの人脈を駆使して新たに取材などをして、裏話をいっぱい書いていこうと思う。もう少しだけ最後シリーズにお付き合いいただきたい。
5/2(金)〜3(日)、新潟競馬場への出張があった。新潟もだが、1泊以上の出張競馬自体もこれが最後となりそうな雰囲気だ。最後に東京競馬場遠征に行きたいという淡い気持ちは少しあるが、こればかりは馬の問題なのであまり期待はしていない。
今回の新潟競馬場の出走馬は、僕の担当の3歳未勝利アンデルマット(愛称アンちゃん)と、他の人の担当馬サイモンブーケの2頭。ブーケのほうがクラス上位なので本当なら連れて行ってもらうのが筋だが、アンちゃんが勝てる可能性があるので、定年間際の僕が行くことになった。


5/2(金)、最後の新潟晩餐は、久しぶりの新潟市一番の繁華街「古町」で。馬運車の中でスマホで調べて意気揚々と行った飲食店で……3軒連続「今日は予約のお客様のみの営業です」で門前払い。GWを完全に舐めていた。
仕方なく古町を歩いていると、僕の新潟での大好物「若鶏の半身揚げ」の、のぼりが…店も大きく、一人ならオッケーだったのでここにした。これでもう新潟に思い残す事はない。


5/3(土)、この日は2Rと11R2頭の競馬。老体にはなかなかハードな仕事だ。真夏ならお断りしたかも?

朝、運動後の飼葉を付けて、しばらく厩舎構内を散歩した。前回の「全国競馬場探訪 〜新潟競馬場〜」で、フクロウが装鞍所に居たり、よく動物が歩いてるとか書いたが、今回も運動中に野ウサギを発見。周りは全て田園風景で、本当にのどかで自然豊かな競馬場だ。




装鞍所からパドックへ行く陸橋の横に、新築の建物が工事中だったが、新しい調整ルーム(騎手宿舎)のようだ。馬場の方まで歩いて行って芝コースの写真を撮って、新潟競馬場の探索終了。



そして、2Rアンちゃんのレース。ずっとタテガミが短い馬だったが何とか編めるくらいに伸びたので、今回は牝馬にしかやらない花のリボン編み込みをした。もう定年までに牝馬は担当しないので、この編み込みスタイルもこれが最後かなぁ…?


そして2レースの発走。アンちゃんは前走の騎手の助言で、ゲート前でメンコを外した。それが悪かったとは言えないが、ゲート出て落馬寸前の大きな躓き。立て直したがその影響は明らかで、全く流れに乗れず、8着(2番人気)でゴール。佐々木大輔騎手が落ちないで良かった…本当にこの馬はよくアクシデントに合うよなぁ。

かなりのダメージを負ったアンちゃん。一旦放牧で、次帰ってくる時は担当者が変わるが、立て直して是非勝ってほしい。めちゃめちゃ可愛い馬だった…元気で頑張れよ!

次のアンちゃんのレースは多分夏頃だろうが、今度はお客さんとして競馬場で応援したい。
そして一緒に連れてきたサイモンブーケの11R(8着)までの昼休みに、もう一つの新潟の大好物、小嶋屋総本店さんの「へぎそば」を食べに行った。


新潟競馬場……勝ったレースは3つほどだが、とても思い出深い場所。またゆっくり遊びにきたいものだ。