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2025年01月30日 (木)

2020年 宝塚記念©スポーツニッポン新聞社

クロノジェネシス
Chrono Genesis

牝、2016年3月6日生まれ
父バゴ
母クロノロジスト
母父クロフネ
馬主/サンデーレーシング
調教師/斉藤崇史
生産牧場/ノーザンファーム
通算成績/17戦8勝

 中央競馬の2024年を締めくくるホープフルSは12月28日に中山競馬場で行われ、1番人気のクロワデュノールが優勝した。3戦3勝。25年のダービー候補として大きく浮上した。

21年5月に落馬事故に遭い、大けがをした北村友一騎手(38)は復帰後初のGⅠ勝利となった。落馬負傷する前の最後のGⅠ優勝が20年の有馬記念だったから4年ぶりのタイトルとなった。4年前に騎乗したのがクロノジェネシスだった。斉藤崇史調教師、北村騎手というコンビはクロワデュノールと同じだった。「クロノジェネシス・チーム」がまた競馬界を盛り上げてくれそうだ。

 20年の有馬記念でクロノジェネシスはファン投票1位、当日の1番人気という中で優勝を飾った。この条件で優勝した牝馬はクロノジェネシス以外にいない。レースは最後の直線で先行するフィエールマンを捉え、猛追するサラキアの末脚を封じ、クビ差、クビ差という接戦を制した。同年6月の宝塚記念でも優勝を飾っていたクロノジェネシスは同一年の春と秋のグランプリを連覇した史上11頭目の競走馬になった。

 16年3月にノーザンファームで誕生した。父は凱旋門賞馬のバゴ、母は中央競馬で2戦1勝のクロノロジストという血統だ。芦毛の馬体は母から受け継いだ。

 斉藤崇史厩舎に入り、18年9月に小倉競馬場でデビューした。新馬戦を快勝すると、2戦目は牡馬を相手にしたアイビーS(東京競馬場)へと向かった。このレースでクロノジェネシスは上がり3ハロン32秒5という驚異的な末脚を発揮して優勝。クラシック候補と言われる存在になった。GⅠの阪神ジュベナイルフィリーズでも2着に健闘した。

2019年 秋華賞©スポーツニッポン新聞社

 3歳初戦のクイーンCで重賞初制覇を飾ると、桜花賞に向かった。よく追い込んだもののグランアレグリアの3着に終わった。続くオークスでもラヴズオンリーユーの3着と、あと一歩のところでGⅠタイトルを逃した。

 3歳秋にクロノジェネシスは大きな成長を見せた。春まではほとんど430㌔台でレースに出走していたのが、オークスからぶっつけで臨んだ秋華賞ではプラス20㌔の452㌔で出走した。桜花賞馬グランアレグリア、オークス馬ラヴズオンリーユー不在の中、力強いレース運びで1着になり、斉藤崇史調教師にGⅠ初勝利をプレゼントした。

 4歳になったクロノジェネシスは成長を続けた。宝塚記念、有馬記念という2つのタイトルを上乗せした。最終的に引退レースとなった21年の有馬記念(3着)では体重が478㌔まで増えた。クロノジェネシスは体が大きくなるにつれて成績も上がっていった。

 現役最後のシーズンになった21年はドバイに遠征してドバイシーマクラシックで2着。帰国初戦の宝塚記念で優勝し、秋はフランスの凱旋門賞で7着。そして引退レースの有馬記念で3着になった。

 22年に繁殖牝馬になり、23年に誕生した初子はエピファネイアとの間にできた牡馬だ。母と同じ斉藤崇史厩舎に入る予定で、順調にいけば25年中にデビューできそうだ。

有吉正徳

1957年、福岡県出身。82年に東京中日スポーツで競馬取材をスタート。92年に朝日新聞に移籍後も中央競馬を中心に競馬を担当する。40年あまりの取材で三冠馬誕生の場面に6度立ち会った。著書に「2133日間のオグリキャップ」「第5コーナー~競馬トリビア集」

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